五条悟から全力で逃げる婚約者

五条悟から逃げる婚約者七 ページ7

会ってすぐ悟にどうしたとか聞かれたけど、なんて答えたかは覚えていない
そのままその日は悟に家へと送ってもらい、後日に日を改めようと頭を撫でられながら言われた
こうやって優しくするのも、便利な道具としか思われて無いんだろうなと思い悲しくなった
でも、時は待ってはくれない
あの後も平然としなくてはならない自分に気持ち悪くなった
なんとか奮い立たせても砕けていく精神に、自分が自分でなくなりそうで怖かった
悟も段々と雰囲気が変わってきた
沖縄に行ったというお土産を渡す時の表情は暗く、聞くなよと無言ながらアピールしてきていた
何故か分からないけど悟に抱きつき、背中をぽんぽんと叩いて上げると思いっきり抱きしめられた
泣きはしてなかったけど、きっと心は泣いていたんだと思う。お互い様だけど
帰って脱いだ私の洋服の悟につけられたシワは取れることがなかった
その後からだ。連絡が途切れるようになった
電話しよっとひたすら言ってきた悟はどこかに行ってしまったみたいに人が変わった
そういうものは積み重ねられる
そして、絶望へと変わる
「…はは…とうとう捨てられちゃったみたい」
約束の日。奇しくも3年のタイムリミットの日
五条悟は約束の場所約束の時間に現れなかった
彼専用で用意させた携帯も1日鳴ることはなかった
後ろに咲いていた金木犀が風と共に匂いを放ちながら散っていく様をただただ眺めた

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