五条悟に見つかる婚約者六 ページ15
「…大丈夫ですか？お嬢様」
「いや、無理ね」
お父様が落とした爆弾は私の思考をものの見事に吹き飛ばしてくれたようだ
当人達の決めたことは通らない世の中なのだと証明された気分で胸糞悪い
もはや私か五条悟が死なない限りこの契は破られないのではないかと思うほど
「これなら留学先であいつと婚約でもしとけばよかった」
「は？」
「あ」
「お嬢様？あちらで何が？」
珍しく彼女が私に対して感情をぶつけてきた
何も知らない彼女には少し悪いことをしたかもしれない
五条悟との事だって一番良く知ってくれていたのに
「いや…そんな深い関係ってわけでは無かったんだけど、お互い振られたもの同士で意気投合した財閥の御曹司とちょっと…お互い結婚の話が無かったら貰ってやるみたいな事いわれたの思い出して。ただの友達だから気にしないで」
彼もお酒の軽いノリで言ってきたと思うし
「お嬢様は自覚が足りなすぎます。愛されている事を知ってください」
「ごめんごめん…まあ、でも愛されてるかなんて本当か分からないじゃない」
全て計算の上かもしれないし
「…とりあえず五条様に連絡してみてはいかがでしょう」
彼女はこれ以上言っても無駄だと思ったのかどうなのかは分からないが、携帯を差し出してきた
懐かしい携帯に思わず彼女を見てしまった
「なん、で」
「…私の判断ではありませんが、私もこの形を望んでおりました。どうぞご確認ください」
もう十年前の機種で放電しまくっているのではないかとは思ったが、どうやら本当に大切に保管されていたらしい
そのまま待受を見て一瞬引いた
電話履歴がおぞましい
もう遡れないものもあるだろう
昨日の履歴がいつもより多いのは何故だろう
「携帯ってここまで記録できるの」
「毎日電話がきております」
「は」
「メールではなく、電話が」
なんの為に？義務？それともあの日の事を？それにしても
「怖…」
「…それに関しては同感ではありますが、お気持ちも汲み取ってあげてください」
そうは言われてもこれは怖い
十年連絡が取れない相手にする行動にしては狂気じみている
見つけられたら最後、私がこの世にいない可能性も捨てがたいかもしれない
でも逆にこの電話がもし鳴らなくなれば彼も諦めるのでは？
そうだ、そして今度こそお父様を説得させられれば…仮のでもいい
結婚したい相手を連れて来さえすればいいのでは？少しは状況を変えられるかもしれない
向こうが破棄に応じないのかこちらが破棄に応じないのかにはよるけど
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 706人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊織(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさん、はじめまして。こちらは一応五条悟夢にはなりますので、彼が頑張ってくれることを祈ります…。応援ありがとうございます！コメントありがとうございました！ (2021年5月10日 9時) (
レス) id: 4be3650e25 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 夢花さん» 夢花さん、はじめまして。夢主ちゃんはもどかしい子なので頑張ってもらいますね。コメントありがとうございました！ (2021年5月10日 9時) (レス) id: 4be3650e25 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月8日 22時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 夢主ちゃん…ガンバ☆ (2021年5月8日 21時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊織 | 作成日時：2021年5月5日 15時
