五条悟から全力で逃げる婚約者

五条悟から逃げる婚約者弐 ページ2

「いや…自由ってなんだろって考えててね」
「自由？そんなもん俺らにはないだろ」
「…会話を続ける気がないのか、それとも本気で言ってくれてるのか」
「本気に決まってんだろ…まあ、俺は勝ち取りに行く事もできるけどな」
悟は五条家時期当主としてここに通っているらしいが、なんでも呪術師になるべく高校は高専に進むと言っていた
呪術師か何か分からない私には理解することが難しいけども、なんとなく危険な気がして怖かった
ここから離れていく悟とここに留まる私
接点が何もなくなれば会うことも無くなってしまうだろう
「悟は……やっぱなんでもないや」
「なんだよ、言えよ。気になるだろ」
「いや…親が決めた相手と、一生を遂げること…できる？」
「…は？もう決まったの」
声のトーンが下がった悟に少し驚いた
どうせ先を越されたと思ってるんだろうな
「ふふ…悟より先に決まることは無さそうだから安心してよ。もしもの話。こうして悟と話せるの今日で最後でしょ？感傷的になってただけだから」
「勝手に最後って決めつけんなよ」
「そんなこと言っても、明日からはバラバラの道だよ？お互い違う事を学んで私の未来は就職してそのまま政略結婚。悟に会える暇なんてないと思うけど？」
「だとしても…分かった。それなら俺からいつでも会えるようにしてやる」
「え？」
「今更俺もAを離す気もねぇから」
「それって…」
まさか、と期待
「俺たち小さい頃から一緒にいたし…俺はAの事…あ、あ…い…あい、あ…相方みたいなもんだろ？」
…した私が馬鹿だった
恋人になれるかもなんて思っていた自分が憎いわ
というかこれって失恋したんだろうな
女っていつでも期待をしてしまう生き物で、一歩を踏み出さないからこうなるんだよね…自業自得か
「そうだね」
とりあえず今はそう返すだけで精一杯だった

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