五条悟から全力で逃げる婚約者

五条悟から逃げる婚約者壱 ページ1

親から決められた相手が居るとは伝えられていた
一応令嬢ではあるので、恋愛に自由がないことも母親を見ていると幼いながらも悟った
"自由"がないとは本当に厄介である
幼き頃から自由にさせてもらっていた分、今のこの縛りは正直きつい
どうせなら閉じ込めて自由なんて知らない方が幸せだったかもしれないのに
とは言っても、恋愛以外はちゃんと自由にさせてもらえているので私が我儘なだけかもしれないけど
財閥の何が偉いのか私は今一分からないが、父親が従業員を守っていることは知っているし、家族に負担をかけさせないために頑張っていることも知ってはいる
だけどなかなか踏ん切りがつかないのが現実というもの
良い学校に通わせてくれていることも感謝している
ご子息ご令嬢が通うようなゴテゴテの学園ではなく、ちゃんと学力などを考慮しながら私のような一般思考な令嬢や跡取りが通うよう学校に通わて貰えてるのだから幸せではある
きっとゴテゴテの方に行くと派閥争いに巻き込まれるに決まってる
そんなの絶対に嫌だ
「おい」
ふと聴こえた声に今までの思考が停止する
やば…ぼんやりとしすぎていた
一緒にいた相手に意識を向ける
ああ…この人のせいでこんなこと考えておかしくなるんだよな
「どうしたの悟」
「意識がここにあらずだったから呼び戻した」
「あながち間違いではないね」
彼の容姿端麗さは世界を誇れるのではないかと思う
中身は残念だと言われることが殆どだけどそれもそれで仕方がない
彼の苦労を考えればそのぐらいで済んで逆にラッキーなのかもしれないからなぁ

五条悟から逃げる婚約者弐→

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