氷と太陽 [戦刻ナイトブラッド] 続 (ページ4)

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第四十七話ページ4

氷聖side

突然周りが光出し閉じていた目を開けると幸村と思われる青年が僕を見ていた。

氷「何のつもりだい？まさか神である僕に勝つと巫山戯たことを言うのかい？」

武将が何だ。人狼が何だ。

所詮神である僕に勝つなんて馬鹿らしい。

幸「真正面から戦いを挑んで勝つつもりは無い。だが領民の為、Aの為に戦う。それだけの事」

氷「ッ！」

一瞬幸村が僕と重なった。

幸「自分じゃない誰かの為に戦う。

簡単じゃない。だけどその誰かが笑って未来を歩けるなら戦えるんだ。俺にとってその誰かはAだ。氷聖が姫神子様を愛してるように俺もAを…」

やめろ

その目はやめろ

誰かを愛おしく見る目はやめろ

大切な人を見る目はやめろ

耐えきれなくなり、僕は俯いた。

『氷…聖…様』

Aの声が聞こえて顔をあげた。

之「A！あまり動くな」

信之と言われた男につられ他の者もAの傍に行った。

Aはふらふらと立ち上がった。

氷「どうして…確かに僕は心臓に…」

『今の私は生きているのがやっとの状態です。このままだと私はいずれ死にます。でも私にはやるべき事があります』

？「もうやめて氷聖…これ以上自分に嘘をつかないで…」

突然聞こえてきたのは愛する者の声

氷「姫神子なのか…？」

どうして…姫神子は動くことが出来ないはず…

姫「Aの力を借りているの…それよりも氷聖、もうやめて。私の為にこんなこと…誰も幸せにならない…」

氷「嘘なんてついてない…僕には君が、君だけがいればいいんだ…」

他に何も要らない。

だって君は僕に…

姫「Aは貴方と同じように孤独で力のせいで周りから忌み嫌われ、貴方が私に救われたようにAも蒼士に救われた。

Aは蒼士の死を受け入れた。自分を受け入れてくれる人を見つけた。

貴方が嫌いな人間は、貴方が愛した人間は、Aは、前を向いている。

だから貴方も…」

君のことを受け入れろ？

無理だ。

天「…私は妖です。よって人間のことはよく分かりません。

しかし、人は醜く、美しい生き物です。

それだけは分かります。氷聖様が嫌いなのも分かります。私だって主を傷付けた奴は許せません。

それでいいのではありませんか？

少なくとも貴方様にはまだ姫神子様がいらっしゃいます」