氷と太陽 [戦刻ナイトブラッド] 続 (ページ15)

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［番外編］信之の恋　ページ15

信之side

幸村とAが通じ合って数日後、俺はAを呼び出した。

『信之さん、どうかしたの？』

之「悪いな。呼び出して」

『ううん。気にしないで』

之「…俺には好きな人がいるんだ」

『？』

突然のことに首を傾げるA。その姿さえも愛おしい。

之「でも、その子の好きな人は俺じゃないんだ。その子は一途だから俺の入る隙間がないんだ。そして、その子は好きな人と結ばれた」

『そうなんだ…』

之「だから、その子を困らせるから届かない【好き】という思いを閉じ込めた」

…本当は分かっていたのさ。

君がどんなに幸村が好きなのかも。

君が幸村を好きなように、幸村も君が好きで。

大事な人を想っているのはみんな同じだから。

之「そして、その子が、A。君なんだ」

『え…？』

ごめん。そんな顔をされたくないから最初は伝える無かった。

でも、日が経つにつれて、君と一緒に居るにつれて、気持ちが大きくなっていった。

不甲斐なくてごめん。情けなくてごめん。だけど、君を好きな気持ちは幸村にも負けなかったから

『でも、私は…』

之「分かってる。これは俺が前に進むためのことだから。Aは気にしないでくれ」

『…ありがとう。私を好きになってくれて。ありがとう…』

そう言ってAはその場を後にした。

之「ッ…(((ポロ」

泣かないようにしていたのに自然と涙が止まらない。

之「今日までずっと好きでした…」

どうか幸せに…