第四十七話 ページ2
夢主side
姫「これで良かったの?」
姫神子様の言葉に私は黙る。
確かに私はあの二人のせいで心に深い深い傷を負った。一生消えることのないトラウマを植え付けられた。
『たとえ酷いことをされても、偽りでも、「愛してる」と言ってくれただけで十分です』
それよりも
『姫神子様はどうして私の前に?』
姫「それはね――」
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氷聖side
分かっている。こんなことをしても姫神子が元気になるわけがない。
僕がやってるのはただの八つ当たりだ。意味が無いんだ。
僕は触れたモノは人でもそれこそ神であっても凍ってしまう力を持っていた。お陰で高天原を追い出された。
誰からも求められず、愛されず、
何百年、何千年 と時が過ぎた。
世界を超えて僕は姫神子に出会った。
僕は初めは力のことを話さなかった。いや、話せなかった。
花のように愛らしい笑顔も
鈴のように綺麗な声で僕を呼ぶ声も
全部好きだ。好きだからこそ怖かった。
だから偽った。
幸せな時間だった。姫神子と過ごす時間は。
永遠に続いてくれるなら他のモノを捨てることは構わないくらい。
何もない僕が見つけたたった一つの大切な人。
離れたくなかった。離したくなかった。やっと出会えた【好きなもの】を失いたくなかった。
日に日にやつれていく姫神子を見て、無力な自分に出来ることはこんなことしかない。
他にどうしたらいいのか分からないし、知らない。
なぁ、姫神子。僕はどうすれば良かったんだ…?
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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月16日 16時) (レス) id: ba1b78c8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪花 | 作成日時:2019年8月16日 15時