突き放す ページ48
ある日の昼休み、私は小柳がまたこっちに来る気配を察してすぐあずさ やみわのもとへ行った
こうしておけばいつも通り来るのを断念するだろう
・・・そう思っていた
小柳「すまん。ちょっとドクター借りていくわ」
『え！？』
小柳は突然私の腕を引っ張ってどこかへ連れて行こうとした
もちろん抵抗はした
けど、まぁ振り切れるわけはなく私はそのまま小柳に連れられて人気の少ない空き教室に入っていった
え？やっぱり最近露骨に避けすぎちゃった？怒られる感じ？ていうか、怒られるどころじゃすまないよね？なんか目が怖いんだけど！？やばいやばいやばいやばい、、、
いろいろ考えすぎて脳がパンクしそうになっていたとき、小柳が口を開いた
小柳「なぁ、ドクター。俺のこと嫌いか？」
『そんなわけない！むしろ、、、』
そう言おうとした口を私は慌ててふさいだ
好きなんて言ってしまえば、絶対に嫌われる！それだけは絶対にダメ！
せめて今の関係を崩さないようにしないと、、、
小柳「何でそこで黙るんだよ」
し、しまった！変なところで言葉を区切ってしまったから勘違いが起きてないか？
なんか腕をつかむ力が強くなってきてる気がするんだけど、、、
『いや、その違くて、、、』
小柳「何が違うの？やっぱりドクターは俺のこと嫌い？俺は迷惑？なぁ、答えてくれよ」
その瞬間小柳が私の腕をつかむ手にぐっと力を入れた
少し爪がくいこんで痛い
小柳「なぁ、どうなのかって、、、」
『やめて！』
私は思わず小柳を思いっきり突き放してしまった
『い、痛いよ、、、急にどうしたの？』
小柳「やっぱり俺のこと嫌いなのかよ。最近様子がおかしいと思ったら、、、俺なんかしたか？どうしてドクターは、、、Aは俺のこと突き放すんだよ！」
私は何も言えなくなってしまった
全部私のせいじゃないか
自分の気持ちから逃げたくて無視して、避けて、突き放して
馬鹿みたい
もう、嫌われても仕方ないような事十分してるじゃないか
それを気にせず私みたいな人間にも優しくしてくれた小柳に私は何をした？
人として最低じゃん
それなら、今更嫌われてもどうでもいいよな
私は自分の気持ちを正直に伝えることにした
たとえそれで小柳に嫌われてしまうのだとしても、、、
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作者名：真島藍 | 作成日時：2024年1月2日 22時
