？？？ ページ12
〜小柳視点〜
【初めて見たときから気になっていた】
昔から付き合いのある友達と同じ高校に入ったはいいものの、家からめちゃくちゃ遠くて1人暮らしをすることになった
友達も同じアパートで1人暮らしをするって話だったから別に心配はなかった
俺が1番心配だったこと、、、それは女子関連だった
中学の頃も俺とその友達、、、Dyticaは女子から異様に人気だった
結局は顔だろう
案の定、入学式の日には俺たちの周りにたくさんの女子生徒が集まった
鬱陶しいったらありやしない
そんなときふと1人の女子生徒が目に入った
俺たちなんて見向きもせず群がっている女どもの横を颯爽と通り過ぎていく彼女
ただそれだけなのに彼女の姿が俺にはすごく眩しく見えて釘付けになった
その後、教室へ行くとそこには先ほどの彼女の姿があった
席はだいぶ遠いが、見えない距離ではない
彼女は友達と話している様子だった
名札には天野と書かれており、友達からAと呼ばれているところからおそらく名前は天野Aというのだろう
Aか、、、かわいい名前だな、、、
下校時間、俺は同じアパートに住むDyticaのメンバーと一緒に帰っていた
いつも通りの会話
楽しいはずなのにどこか彼女のことが気になって話に集中できない
するといつの間にかアパートの前についていた
俺はDyticaのメンバーと別れ、自分の部屋に入ろうとした
扉を閉めようとして、気づいた
アパートの向かいにある一軒家
その玄関にかかる天野のプレート
そしてその家に入っていく彼女、天野Aの姿
俺は茫然として彼女を見つめていた
するとこちらの視線に気づいたのか、彼女がこちらを向く
俺は急いで部屋に入ると扉を閉めてその場に座り込んだ
その日俺はなぜか目が冴えてしまい、全く寝むれなかった
数週間後、高校生活初の日直当番がやってきた
ペアはなんと天野A
あれから結局一度も話しかけられていなかったから、これがチャンスだ
一度深呼吸をしてから彼女のいる教室に入る
挨拶をすると彼女は笑顔で答えてくれた
そのあと彼女はてきぱきと俺に仕事の指示をした
意外としっかり者らしい
俺は言われた通り背面黒板の手紙を張り替えていく
彼女は無言で仕事をする俺を見ている
話すことがない、、、気まずい、、、、
そんなことを考えていたその時、俺は紙で指を切ってしまった
やってしまった、、、しかも結構深く切っている
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作者名：真島藍 | 作成日時：2024年1月2日 22時
