恋は難しい (ページ12)

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☆ ページ12

さきにちょっと体育館行ってくるねとだけ伝えて、今か今かと順番を待ってる自分がいることに気づいた

あんな感じなのにバンドなんてやるんだ

と少し失礼なことを思いつつも座れるところを探して、運良く端っこの1番前が1席空いてたからそこに座らせて貰った

次はこの人たちでーす！

なんて元気いっぱいの掛け声と共にバッと幕が降ろされバンド演奏が始まった

～思い出すのは君の歌🎶

最近流行ってる歌のカバーをするバンドのみんなを見渡しながら、さっき出会った不思議な男の子を探す

でもメンバーの中にメガネくんはいなくて、あれ間違えたかな？って思いながら目に止まったのは

センター分けでパーカーのフードを被ってた人

なんかわからない魅力でずっと見ていたらパチッと目が合って、ようやく気づいた

｢木全……く、ん……｣

雰囲気ががらっと変わってたから気づかなかったけど、あの白い肌と目元はたしかにさっき声をかけてきた木全くんだった

～落ちてく過去は鮮明で🎶

歌いながら目が合って、なんかもう動けなくて固まってしまった私を見てふっって余裕そうに笑う顔がかっこよくて

金城くんのことで落ち込んでいた私には充分な刺激だった