視線、交わる。 (ページ2)

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2話ページ2

廉「__________出来た？」

「ん、出来た。」

廉「どれ、見して？」

「はい、」

廉「……………」

綺麗な指をノートの上に滑らせる廉の横顔は、正直すごくカッコよくて、見惚れてしまいそうで、
でも、認めたくなくて。

廉「__________ここだけ違うわ、」

「どこ？」

廉「自分で見ろや笑」

　「大問3の(5)」

　「√144は12やって」

「だよね、数字大きすぎるもん笑」

廉「ほんま中学生からやり直しやな笑」

「ねぇそれは困る！笑」

数学がいちばんと言っていいほど苦手な私。

そんな私にしっかり向き合ってくれたのは、紛れもなく廉だけだった。

)永瀬先生、

廉「あーはいはい、」

　「ごめんな、ちょお待ってて」

「、はあい」

廉は事務の人に呼ばれて教室を出て行った。

ひとりだけの部屋に、秒針が進む音だけがカチカチと鳴る。

この日を境に、廉と出会って2年間、ずっと1週間に何度も合わせていた顔をピタリと見なくなった。