そして、青空へ墜ちていく (ページ16)

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「使命？救済？どういうこと？」

「俺はそのままの意味だと思うよ」

「そのままの意味……」

まるで意味が分からないと藤本を恨めし気に見つめると、藤本は困ったように笑った。
「だからさ」と瀬戸の持っている便箋を覗き込む。

「俺達は、何かしなきゃいけなくてこの神崎って奴にここに連れてこられた。ただその“しなきゃいけない事”を俺達がすることで何かしら俺達の救済につながる。
ここが何処とか、なんで俺等だったのかとか、そもそも神崎って奴がどんな奴かなんて考えても無駄だから、そんなことを考える暇があればその“しなきゃいけない事”を考えろ、ってことだよ。」

「でもその“しなきゃならない事”って何なの？」

「それが分からないんだよー！」

藤本が声を出してソファの背に凭れかかる。
「どこかにヒントがないかなーって部屋中探してみたんだけど、なーんにも見つからないんだよねー」そういって大きく伸びをしてみせた。

瀬戸は藤本に申し訳なさを感じながら、一つ疑問を持った。

「藤本、私どれくらい眠ってた？」

「んー今１１時ちょい過ぎだから……。俺たちが飲んでいた時から考えるとざっと半日以上は寝てたんじゃない？」

「起こしてくれたら良かったのに……」

「いやー一応起こしたんだけどね。気持ちよく眠っていたからさ」

藤本の言葉に瀬戸は顔から火が出そうだった。
あの時は本当に眠かったが、こんな見ず知らずの場所で藤本にばかり負担をかけてしまったことが申し訳なかった。

「あ、あとこれ。残高も確認したけど、訳分からないくらい入ってた。多分、２人で遊んで暮らしても１０年は余裕で足りるくらいはありそうだよ。」

そういって藤本がキャッシュカードを取り出してテーブルに置いたときだ。