お前なんか嫌いや。 (ページ5)

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そして何より___あんな風に誤魔化したりせぇへん。
隠し事は無しって2人の間で決めとる。大体、
言えないことがあったってあんな風に
茶化したり口ごもったりなんか絶対にせーへん。

…そんなファルやないファルが嫌いになった。
嫌いになった訳ちゃうけど…俺のせいで
あんな事になってしもうたんやから。

あぁ、俺のせいだ、俺のせいなんや。って思った。

絶望して、精神が不安定になってしもうた。
そんな俺を見て、ファルやないファルは
焦るばかり、泣くばかり…。前の男らしいファルは、
ファルらしいファルはどこ行ったんや。

精神が不安定になった後、俺は記憶を失ってしまった。

ファルのこと全てや。綺麗さっぱり忘れてしもうた。

あの日の夏祭りのこと。ファルと付き合った日のこと。
ファルと初めてキスしたこと。ファルに
好きって伝えられたこと。全部、全部や。

何も思い出せへんかった。ファルという存在自体が
俺の中に存在せぇへんくなった。

だから、馴れ馴れしいお前が嫌いやったんや。
俺にとって、1番大切な、大事な人やのにな。

ファルに"恋人"って言われて記憶が一気に蘇った。
ファルの全てを、ようやく思い出せた。

…でも、やっぱり

俺はお前なんか嫌いや。

いっつも俺を庇って、自分はどうなろうとお構い無し。

…ちゃう、嫌いっちゅーんはただの誤魔化しや。
自分の気持ちに素直になれてへんのや。俺は…。

俺は…

俺は___

ﾛﾎﾞﾛ「お前のこと、大好きなんやで」

『俺は、愛しとるで。ロボロ』

ﾛﾎﾞﾛ「……ぇ…ファル…っ！！」泣

勢い良くファルに飛びつく。

『ふふ…ロボロはよう泣くよなぁ。
そういうとこ、ほんま好きやで』

よしよし、と頭を撫でてくれる。

ﾛﾎﾞﾛ「ファル…！ファルゥ…！ごめんっ…！俺がぁ
俺が弱いから…！」泣

『ちゃうで。ロボロは悪うないよ。
俺のせいや。ごめん、ごめんな。』

ﾛﾎﾞﾛ「うっ…うぅっ…！ファル…！」泣

___あぁ、やっぱり

嫌いになんてなれへん。

俺はずっと、愛しとる。

お前なんか嫌いや。
ー完ー