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好きだよ、大好き。
Aしかいない。
お願い。振り向いて__…
.
A『っ…!』
かちかちと時計だけが進んで行く。見てみると、夜中の2時。
自分でもびっくりしている。
…まさか夢にまで出てくるなんて。
A『…考え過ぎ』
それとも意識し過ぎなのか。
考えないようにしているのに、告白から頭の隅にこびり付いて離れない。
好きなんかじゃない。好きなんかじゃないんだ。
そう言い聞かせ台所まで向かう。
ガラスのコップに水道水を流し入れ、一気に身体の中へ入れた。
A『…好きじゃないのに』
ポツリと呟く言葉は、蛇口から少し流れる水と同じで曖昧に出てきた。
.
真冬「ふぅ…」
その頃の真冬は、受験勉強に専念していた。
真冬「…Aの為」
Aと口に出すだけで頑張れる。彼方が言った通り源だ。
真冬「…もう少し」
あと1時間だけ。
これだけやったら寝よう。
.
彼方「あーー…」
彼方も同様に勉強に集中していた。
のだがかなり限界に近づいている。
彼方「…疲れた…」
普段は余裕そうにしているが結構きついのだ。
努力しているのは真冬だけではない。
机にむかってシャーペンを握っている手が緩み、後片付けをしないまま寝所へ向かう。
彼方「(体調管理しっかりしなきゃな)」
本番でぶっ倒れたら元も子もない。
しっかり寝て万全の状態で挑もう。
…学校へ行ったらまたAに会えるのだ。大丈夫。
それがひとつの励みである。
それから布団へ潜ると直ぐに眠りについてしまった。
.
96「うぉ!?A!?」
A『おー96ちゃ、おはよ…』
96「クマすごいよ!?大丈夫かA!どうした!」
A『え?あー…
…え??』
96「老けたね!?」
そうだろうか。
あーでも眠いなー…何も考えたくないなー…。
A『…。』
96「…考えてたの?」
A『…良くお分かりで』
そういうとぷっ、と吹かれたのに少し癪だった。
96「恋愛も良いけど体の方大丈夫か〜?」
A『別に恋愛じゃない。好きじゃない』
96「素直になりなさいな」
こういう時に見抜けちゃう96ちゃんは本当に本当に凄い。
96「…大学受験まであと5日だよ?早いね〜」
A『いや適当だろ。あと12日だわ。』
96「ほーよく知ってるねぇ」
A『…。』
…こいつ引っ掛けやがった。
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いるよ - 関係ないはずなのに、AftertheRainと繋がってる細かさが、とても好きでした。この作品が私は好きです。素晴らしい完結をありがとうございました! (2022年12月8日 21時) (レス) id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華。(プロフ) - あっっ、そらるさんver.……。 (2021年1月20日 16時) (レス) id: 463bf9fb63 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 申請はしました!ひなのという者です (2020年8月6日 11時) (レス) id: 2e2545cf28 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 申請はしました!ひなのという者です (2020年8月6日 11時) (レス) id: 2e2545cf28 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 凄く面白かったです!あの、恋乱やってますか?やっていたら姫友&くのいち仲間になって欲しいです! (2020年8月6日 10時) (レス) id: 2e2545cf28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2017年11月25日 21時