坂田の幼馴染、大天使にアタックします。【まふまふ】【歌い手】 (ページ5)

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勿論、困った顔をしている。当たり前やんな。

横で坂田がゴタゴタ言っているけどそんなん関係無い。まふ君の透き通った目をただ眺めるだけ。

『はぁ…』

眺める…というか見つめる…？

耐えられなかったまふ君はすっ、と目を逸らした。それを合図に後から頭を叩かれた。

『あいたぁぁっ！』

「あいたじゃないやろ！何やねんお前！」

これの声は坂田…！こんな調子で全く周りが見えていない。「どういうつもりや」って…どうもこうも無いわ。

『そーいう事！うちまふ君…まふまふさんの事が好きになってもうたんやって！』

「ひょぉっ」と息を飲んでもっかい叩くぞと言われた。

分かってる、そんなの。いけないんやろいけない事なんて分かってるわ。

『ただの坂田の幼馴染ってだけでまふ君に近付こうってのはありえへんって分かってるんやけど駄目やわ。乙女心は良いって』

「なんか地味に俺の事貶してない！？乙女！？知らんわ、いーかちょっと来い！」

痛いっ、耳耳！持ってくな！いーだだだだ。坂田はまふ君から少し離れた所で私を説得しようとこしょこしょ話で耳に口を近付けた。

「俺が言った事言うてみ」

『気軽に話し掛ける、いつも笑顔、まふ君のハートを鷲掴み』

「凄いわ、全部可笑しい」

煩い。坂田やって絶対目の前にかわい子ちゃんがいたら抱き着いてたやろ。それと同じ心理や。失恋失恋なんて言ってたらキリがない。さっ、切り替えてまふ君にアタックや。

「駄目やって。あいつ極度の人見知りで絶対喋れへんから特に女子！」

『うち会話力だけはあるから！何でも笑いに持ってくわ！』

「無理！絶対お天気の事しか話さへんやろ！今日は雨ですね、そーですねって！」

『んな天気て…。そらジローじゃあらへんのやから天気なんて聞くか』

「そういう時にボケ要らんわボケ」ってお前がボケとるやん。

何にも経験せんと学べないもんやろ。確かに失恋は体験してるけどまふ君は別な気がすんねん。

『こう、なんかビビッと来ちゃったんよ』

「そのビビッはいつも外れてるやろ！しかもまふ君！？まふ君のリスナー何人か知ってるか！？100万以上やで！」

おぉ…100万ってどれくらい？お金で考えたらうまい棒10万個買えるやん。

…あれ、10万ってどれくらい？

「おーい…って何、先客？」

とても透き通った声音だったので瞬間的に見てしまった。

すると私と目が合った彼は驚いた顔をしていた。

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