坂田の幼馴染、大天使にアタックします。【まふまふ】【歌い手】

8 ページ9

.



「………ちょっと待て、何を頑張るって？」


『好きになってくれる様、頑張るんです！』


「人の話聞いてないだろお前」



…それよく言われるわうち。何ー？そんな聞いてへんのー？


……って言うてもなぁ。




『す、好きなもんは好きなんです！しゃあないやないですか！うちの恋愛邪魔せんといてよ！』




せや、この人まふ君の相方の人やん！だから言うてるんやろ！


恋愛はコンビ関係あらへんやんけ！
※正しくはコンビではなくチーム




「あのなぁ、俺はお前の為を思って……」


「………まぁまぁ、そらるさん。いーじゃないですか。俺はAに協力しますよ？」




と言ったのはイケメンるす君。なんやるす君……めっちゃええ人やん…。


そらるさんから向き直り私を見てはニコッと笑う。

何てイケメン君！！こういうのを待ってた！最初っから分からん奴に態々説明せんで分かり合える人と話せば良かったんや！




「よし、じゃあA、行こか」


『うんっ！！………うん？』




え、どこへ？そう聞こうとしたのに、気付いたら手を引かれファミレスから出ていた。


あ、いや、これうちとまふ君の恋愛物語やで。




「…んー…ここら辺…？ちょっと待っててな」




駅周辺の路地へと移動し、まるで誰かをストーカーしている様な形で建物の影からこっそり覗く。


え……何事？




『……えっと、るす君？何してるんこれ。需要ある？』


「ありまくり。まぁあとちょっとだから待っててよ」




「んー？あれかなー？」とか言って通る人の顔をまじまじと眺めていく。


この人無駄に背ぇ高いねん。どのくらい？170超えてるよな？？


だからかうちらも目立ってしまう……。




「……おっ、あれだ！ちょ、ほらA」




ぐいぐいと無理矢理前に押されて「転ばんでね」と忠告。


転ぶ……？？




「俺はこれで少しでも2人の間が縮まれば良いと思ってる。はい、けどその前にLINE」




スマホのQR画面を出され追加するように言われた。そして更にはそらるさんのまで渡してきた。




『や、あの、るすく』


「検討を祈ってるで。頑張れ」


『へ？ちょっと何言ってん……のぉぉぉ！！？？』




"男の人の力って凄い"……そう実感した。


背中を強く押され兎に角受け身を取らなければと思い手を伸ばす。


………けどその前に誰かとぶつかった。


固くて背の大きい男の人の身体だ。




「…ふぁぁー……あ！！？」


『うおあっ！！！』



.

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す