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少しでも同情してくれるかなって思っていたら全然そんな事無くて。そらるさんはやっぱり厳しいなぁ…。
「"……お前がしたいようにすれば良い。まぁ…渡さないけど"」
うーん、煽るのが上手だな……そしてそれに乗っちゃうのが僕のいけない所。
良いですよ、やってやりますよ。発情期じゃなくたって何だって奪えば良いんでしょ奪えば。マイナス思考になるなまふまふ!こんな弱気でどうする!さっきの勢いはどこ行ったんだ!
「分かりました、好きなようにします」と少し強気に言うと電話の向こう側でふっ、と笑った声が聞こえた。
「(セフレってのは本当何だろうか)」
何か企んでる気がするんだけどな…。結局乗っちゃうんだけど。もんもんと色々考えていると時間が空いてるならこっち来ればと誘われた。
あれ、先輩いるんだよね…?も、もしかして挑戦状か…?やってやろうではないか。まふまふは先輩を取り返す、その名も"栄冠獲得まふまふの乱"に行ってくる。さぁ出陣だ。
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十分位するとそらるさんの家のインターホンが鳴った。ただ今午前3時25分丁度。
目を擦っているとさっきまで電話の相手だったまふ君が顔を出した。それに鼓動が大きく鳴って緊張しているのが分かる。
「ぁっ…先輩っ…」
『…えと、まふ君、おはよう…?』
何て声をかけて良いかも分からず、取り敢えずおはよう。そして隣でニヤニヤしているそらるさん。何なの、勝手に変な設定入れといて。
「あー来たんだ。来ないかと思った、自身無くて」
すると彼は大きな掌を私の頭へ乗せた。それに対してまふ君がむっ、とするとこちらへ近付いて来た。ほんのり頬が赤いのは自律神経…何とか…?だからかな?
「わざとやってるなら怒りますよ。何企んでるんですか」
「え?企んでる?別に何も無いけど」
ねー、と言って私の顔を覗き込んだ。いや、私もまふ君と同じで疑っているのですが。長嘆息をしまふ君に目をやる。すると、まふ君もこちらを見ていたようで視線が絡み合った。
直ぐに私から目を逸らす。そらるさんは何企んでいるか分からないしまふ君の症状は発情期じゃないし…まふ君に、好き人はいるし…。
「…Aー。今度はいつ付き合ってくれんの?最近溜まっててさぁ」
『どぅふっ』
そんな大きい声で言わなくても届いてるから声!止めて下さい恥ずかしくないの!?ほら、まふ君だって皺寄せちゃってるし!
駄目だ…こっちが恥ずかしいよ…。
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作者名:花 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2018年2月2日 22時