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「ある程度期間がある…?」
あれから解散して週に何度か通わなければいけない病院へ。
いつも担当している先生に診てもらっているのだが、この先生は大事な事を言い忘れるおっちょこちょいで、あと少しで定年退職のおじさん先生だ。
「そう。欲をなくしたのは良いけどその後に症状が出ない期間があるんですよ。その期間は人それぞれですけどねぇ」
もっと先に言ってよそれ…。
………あっ、だからさっきもキスした時出なかったのか。
先生によると行為は"薬"みたいなものらしい。"薬"が効けばちょっとの間だけ楽だけど切れた時は辛いと言った所だろう。
「治るのっていつなんですか?」
あと少しでひきライだ。そんな時に出てしまったら大変じゃ済まない。その日の前に行為をすれば良い話だが絶対疲れてライブ無理。
「さぁ…人間がなるものじゃないからなァ…」
…つまり治す方法は分からないと。へぇ、そうかそうか。
………なんて俺得…いや僕得なんだ。
歌い手活動に支障が出るのは嫌だけど好きな人と繋がれるなら良しとしよう。
「また様子を見ましょうか」
「ではお大事に」と言われてその部屋を出ていく事に。待合室で待機していると、一件の通知が。
おい、お前今どこいんの
それはそらるさんからのもので何故か危ない雰囲気が漂っていた……というか、絶対に今会ってはいけないような気がした。
「病院で診てもらって終わった所です」と打つと今から俺と会わないかと誘われた。
何故だ。何故だ何故だ何故だ。怖い。何か良からぬ事を企んでるに違いない。
「駄目だよねこれ。会っちゃ駄目なパティーンだ」
僕の本能がそう言っていたので、嘘のスケジュールを伝えておいた。
うん、これで大丈夫。これで先輩に問題なく会える。安心。
「相川さーん」
そう受付の人に呼ばれそこへ向かう。これが終わったらまた先輩の家へ向かおう。症状が出ないのならそらるさんだって許してくれるはず。
会計を済ませると小走りで彼女へ続く道をかけていった。
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なんかもっと甘くしたい。
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作者名:花 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2018年2月2日 22時