第91話 七人の賢者 ページ7
Aside
王の心境の変化により、私たちの心には暖かな希望の光が射し込んだ。自らの苦しみに耐え、この世界を変えようとする彼の気持ちに応える為、私たちは一致団結を決意する。
デイビッドとの和解へと道を定めたところで、その後に待ち受ける問題について、私たちは話を進めていた。
「あいつと和解できた後は、いよいよバリアを破壊するという方向でいいんだな?」
「そっか!そこで満を持して、Aの活躍の時が訪れるのだなッ!」
『うん…上手くいけばだけど』
アンダインとパピルスに向けて頷いた私に向け、サンズが待てと言う。不思議に思う私たちに彼は言った。
「そのことだが…もっと別で、しかも確実な方法を王から提案された」
『え…本当に!?』
その発言に皆が彼へと釘付けになる。彼はアルフィーと頷き合い、説明を始めた。タロットカードに秘められた本当の力と、本来の方法、そして、ニンゲンを召喚しない代わりの手段を。
「つまり…残り六人のニンゲンの代わりに、魔法を使えるオイラたちが、そのカードの力を使う。それも、ニンゲンのソウルを一つずつ取り込んでな」
「なんとっ……!世界に平和をもたらさんと集いし者たちが…最後に力を結集し、道を切り開く…なんて素晴らしい展開だ!」
「すごいぞ!これぞまさしく、ムネアツな展開というものだッ!」
興奮気味な様子のメタトンと共に、パピルスも瞳を輝かせた。その一方で、アンダインは不安の声をあげる。
「待て!ソウルを取り込むというが…バリアを破壊した後、それはどうなる?まさか…ずっと体に残り続けるなんて言わないよな?!」
「あっ…それについては大丈夫だよ!ソウルは本来、宿主以外の器に完全に定着してしまうことは殆どないの。だから、息を吸って吐き出すのと同じように、簡単に取り込んだり、手放したりすることは可能だよっ!」
「そうか…アルフィーが言うなら安心だな!」
「う、うんっ!」
自分の説明に安堵する彼女の様子に、アルフィーは顔を綻ばせた。二人が落ち着いた頃に、サンズが話を戻す。
「肝心なのは…誰がその役目を果たすかってところだ。確実なのは、王、A、オイラ、パピルス、アンダインの五人。和解できたなら、デイビッドの参加も固いだろう。つまり、あと一人だが…実は宛てがある。この後、説得に行くつもりだ」
彼は私とフリスクをさりげなく一瞥して、そう述べる。
私たちは彼の意図を察し、そっと頷くのだった――
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かしわ(プロフ) - ラヴさん» ラヴ様 長期間お待たせしてしまったにも関わらず、暖かいお言葉で迎えて下さり、大変恐縮です……! このような私をご心配頂いて、本当にありがとうございます! これからこつこつと更新頑張って参ります! (2022年6月5日 11時) (レス) id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - もちりのさん» もちりの様、初めまして。長い間お待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。大好きだなんて言って頂けて、激励のお言葉まで……とても嬉しいです。ありがとうございます!こつこつと更新していければと思います! (2022年6月5日 11時) (レス) id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - レーニャンさん» レーニャン様 会話になってしまうかもと思い、返信を避けてしまいましたが、やはり返信させてください。 本当にお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。激励のお言葉痛み入ります、ありがとうございます!これからこつこつと更新できればと思います……! (2022年6月5日 11時) (レス) @page45 id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
ラヴ(プロフ) - お帰りなさい!クラムチャウダー改めラヴでございます。停まっていて、とても心配しておりました…お戻りになられてとても嬉しいです!ご無理のないようお気をつけ下さい。応援しております( ¨̮ ) (2022年6月5日 0時) (レス) id: 906f0fe218 (このIDを非表示/違反報告)
もちりの(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品見る専だった時から大好きで…無理はしないでくださいね!更新頑張ってください! (2022年6月4日 6時) (レス) id: 8fca6226df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわ | 作成日時:2021年8月23日 7時