第112話 微笑みの花 ページ31
デイビッドside
ウォーターフェルの入り口で、ボクたちはとうとう、サンズの弟のスケルトンと一緒にいるニンゲンを見つけた。しかし、二人いる筈のニンゲンの内、その場にいるのは子どもの方だけだった。
「……君たち、ボクが召喚したあのニンゲンは、どこにいるんだい?」
「Aのことを言っているのなら、彼女はいないぞッ!何故なら、兄ちゃんと一緒にいるからなッ!」
「なっ……」
「やられたね。アイツはきっと、ショートカットを使ってるよ」
「ッ……おかしい。まるで、ボクたちの動きをわかっていたかのようだ」
今まで見つからなかったニンゲンがついに見つけられたと思ったら、既に先手を打たれていた。しかも、どこか挑戦的な表情を浮かべる彼らの様子から、わざとボクたちの前に現れたかのようにも見える。
「ねえ、デイビッド……ひょっとしてあれじゃない?」
「…!まさか…」
フラウィが指し示した方向を振り返ると、そこには小さな機械が浮かんでいた。全てを悟ったボクは、腹立たしさを覚えて彼らを睨みつける。
「…君たち、やってくれたね……」
「ニェッ……き、気付かれてしまったなら仕方がないな!そうだ!その飛行カメラは、かの有名なアルフィー博士が…」
「ちょっとパピルス!今は説明してる場合じゃないよ!」
「そうだね……説明なんて必要ない!」
ニンゲンの言葉に同意し、ボクは右手をかざして忌々しいカメラへと稲妻を放った。激しい音を立ててそれが崩れ落ちるや否や、ボクは彼らへと向き直った。
「ニ、ニェェッ!カメラが……ッ」
「安心してくれ、パピルス君。一先ずそこのニンゲンを、こちらへ差し出してくれればいい」
「そ…それはできない相談だッ!」
「頼むよ。君には危害を加えたくないんだ。でも、このままだと……少し当たってしまうかもしれないよ!」
「!!」
ボクは彼の隣にいるニンゲンに照準を定め、一直線に稲妻を放った。この速さならいくらニンゲンでも避けられない……そう確信したその時だった。
「ぬああああ!!そうはさせるか!!」
「! なにっ……」
瞬間的に現れた青い槍に稲妻が弾かれたと同時に、銀白色の鎧姿のモンスターが頭上からボクたちを挟み込むように降り立った。
「クッ……まさか囲まれるなんて。どうする、フラウィ……フラウィ?」
「フフフ……協力ありがとう、デイビッド!」
「…!?」
彼は遠く離れた場所から、笑顔でボクに手を振っていた――
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かしわ(プロフ) - ラヴさん» ラヴ様 長期間お待たせしてしまったにも関わらず、暖かいお言葉で迎えて下さり、大変恐縮です……! このような私をご心配頂いて、本当にありがとうございます! これからこつこつと更新頑張って参ります! (2022年6月5日 11時) (レス) id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - もちりのさん» もちりの様、初めまして。長い間お待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。大好きだなんて言って頂けて、激励のお言葉まで……とても嬉しいです。ありがとうございます!こつこつと更新していければと思います! (2022年6月5日 11時) (レス) id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - レーニャンさん» レーニャン様 会話になってしまうかもと思い、返信を避けてしまいましたが、やはり返信させてください。 本当にお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。激励のお言葉痛み入ります、ありがとうございます!これからこつこつと更新できればと思います……! (2022年6月5日 11時) (レス) @page45 id: c5e96d2eaa (このIDを非表示/違反報告)
ラヴ(プロフ) - お帰りなさい!クラムチャウダー改めラヴでございます。停まっていて、とても心配しておりました…お戻りになられてとても嬉しいです!ご無理のないようお気をつけ下さい。応援しております( ¨̮ ) (2022年6月5日 0時) (レス) id: 906f0fe218 (このIDを非表示/違反報告)
もちりの(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品見る専だった時から大好きで…無理はしないでくださいね!更新頑張ってください! (2022年6月4日 6時) (レス) id: 8fca6226df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわ | 作成日時:2021年8月23日 7時