ニンゲンが地下世界に“召喚”されました…！？ <３>【UNDERTALE 長編夢小説】

第95話 女王 ページ11

Aside


再会の喜びもひとしおに、私たちはリビングに集まり、彼女へ全てを説明した。



「そう…私が知らない間に、そんなことになっていたのね…。あの人は、この世界を変えようと…」

「ああ。王に直接呼ばれて、色々と話をされたよ。罪のないニンゲンの命を奪い続けて、後悔していることも、オイラたち民を開放したいと思っていることも……ああ、それと、おばさんが出て行って寂しがってることも、全部な」



彼女は最後の内容に、如何にも不機嫌そうに眉を顰めるも、やがて口を開いた。



「…話はわかりました。遅過ぎるとはいえ、一応、あの人は心を入れ替えているということも…そんな彼に、貴方たちも応えたいと思っていることも」



彼女は苦々しさを孕んだ瞳を閉じて、息をつく。そして、穏やかに開いたそれを私たちへ向けた。



「そうね…。皆が、この世界の為に動いてくれているというのに、私だけのうのうとここに閉じ籠っている訳にはいかないわ。私は、心を決めました。私も…元女王として、是非とも貴方たちに協力させて欲しいわ」

『…！ありがとうございます！』

「よかったぁ…！ちょっと不安だったけど、安心した…！」

「ふふ…何を言っているの。アズゴアは正直どうでもいいけれど…何より大好きな貴方たちと、サンズの頼みだもの！」

「へへへへ、言うなぁ、トリィ」

『あ、はは……』



王の決断と行為に失望し、嫌悪していることはわかっていたけれど、ここまできっぱりと言い捨てる様は、いっそ清々しく思えた。私は心の片隅でそっと、アズゴアさんに同情する。



「まあ、兎に角そう言ってくれるなら話が早い。あいつらとの和解の後、オイラたちはバリア破壊を行う。その為にも、トリィ…いや、女王の力が必要なんだ」

「ええ、任せて頂戴！私にできることなら、喜んで力を振るうつもりよ！」

「ああ…ありがとな」



遂に、私たちはトリエルさんの協力をも得ることができた。また少しずつ、この世界は平和の未来へと近付いている。私はそう確信した。



「よし。そうと決まれば、後はオイラたちがあいつらを何とかするまでだ。じゃあ…女王はもう暫くここで待っててくれ」

「ええ、わかったわ。貴方たちの報せが来るまで、私は私にできることをしています」



こうして私たちは一度、遺跡を後にすることにした。



「あー、悪い二人とも。先に出口に行っててくれないか？」



階段へと歩く中、ふとサンズはそう言い、足を止めたのだった――

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