[HQ]水谷さんは身長が高い。

平穏：無くなって初めて気がつくもの ページ28

そんな事があって、何だかんだで開放されて。
やっとの思いで帰路に着いた。

もう嫌だ、と思った。
あの空間に、私は場違いすぎるのだとも。
今回のたった10分程度の時間で、よく理解できた。

それがこれから２週間程度続くんだと考えたら、気が重かった。
はやく終わればいいのに。そう思いながら、私は家へ歩いた。




それから、毎日部活に行った。
清水先輩は、とても優しかった。
主将さんも、いい人だった。
なんだかんだ言いながら、皆優しくて暖かくて、とてもいい人たちばっかりで。

苦しかった。

怖かった。

何度逃げ出そうと思ったか分からなかった。

そんな中で、やっちゃんの心はバレー部へと傾いていった。
それは、ふとした時に現れた。
昼休み、ご飯を食べている間。
集会の時の、ちょっとした移動中。
すこしづつ現れるそれは、確実に私の心を引っ掻いていった。

勿論、日向もそうだった。
入部関連の話が増えた。
部活での話は勿論減った。
やっちゃんよりもずっと直接的なそれは、時に心を抉った。

けれど、それはまだ「平穏」の範疇だったのだ。
そしてある日私は、平穏が崩れる、その鱗片を垣間見る事になる。


それは、昼食が終わってからの自由時間での事だった。

勉強を教えること：先生に土下座したくなるくらい難しい時がある→←期待：知らないうちに強制力をもたせてしまうもの

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