７つの恋のお話

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「あ、さっきの、ゴリラに似てるって言ったやつ」

メ「ん？あぁ、気にしてないよ？」

「うん。悪い意味じゃないんだ」






教えてくれた本当の理由





「ゴリラって見た目はあんな感じなのに小心者なんだって。本当は、優しいの。」
「関もさ、そうでしょ？絶対、すっごい優しい」
「滲み出てるからわかる」






君は人の心の中に入ってくるのが上手な人なんだと思った。


なんで、俺の事がわかったのかな。





昔からこんな見た目だからか

何かあったら俺のせいにされたり、
やってもいないことを なすりつけられたり。



やってない、俺じゃない、



言いたいことを言えずに、黙って怒られていれば
終わった頃に友達が泣きながら謝りに来る


『本当は僕なんだ。僕のせいでごめんね。大好きだからまた仲良くして』


泣きながらそんな風に言われたら、断れない。
だから、友達が怒られそうなときは

俺じゃないのに

そう思いながらもかばいながら生きてきた。




いつか、俺をわかってくれる人が現れる、と信じて。








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「目、見てればわかる」

メ「目？」

「うん。優しい目、してる。イルカみたいな」

メ「イルカ…？ゴリラじゃなくて？」

「だーかーら！ゴリラは見た目(笑)」







ケラケラと笑う姿は、元気いっぱいで

ドラゴンボールとか、ワンピースの主人公みたいで。



笑うと見える八重歯とか
豪快な笑い方が女の子らしくなくても

それが君らしくて、似合ってて、


可愛い人だなと思った。









女子よりも男子、に近い感覚の君と話すこと、一緒にいる事は

なんにも違和感がなくて

寧ろ、一緒にいない方がソワソワしてしまうようになって


もしかしたら俺は君が好きなのか、と気づいたのは卒業式。




ボーイッシュな見た目、さっぱりした性格
誰にでも分け隔てなく接するところ


男子よりも女子に好かれる君は


先輩あれください、これください、と後輩たちに集られて







「卒業式にジャージで帰るとか何！笑」



帰る頃には制服の面影も無くて。


短すぎないスカート丈、好きだったんだけどな、なんて思いながら

最後になる高校生な君、を目に焼き付けた。




別に剥ぎ取られたわけじゃない俺の第二ボタンは



手のひらに握ったまま



君には渡せなかった。





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