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「ジュンさん！」
いきなり走ったので息があがった。
そんな私を見て、
彼は「ゆっくり来ればよかったのに」
なんて呑気なことを言ってのける。
「あの！鞄くらい、
自分で持てますよ！」
「今晩、お世話になるんだし、
僕も何かしたいの！」
いやいや、会長のお孫さんが
することじゃないから!!!
何度も自分の鞄を掴もうとする度に、
手を戻される。
もー、言うこと聞いてよっ!!!
そんな私を見て、
彼は私の右手を自分の左手に絡めて繋いだ。
「言うこと聞かない
Aちゃんの手は、
こうしちゃうからね？」
「ちょっ…何！？」
「鞄は僕が持つ！
Aちゃんは料理を作る！
いいでしょ？」
「わ…分かりました!!!
分かりましたから、
手離して下さい!!!」
「えーっ」
「えー、じゃなくて!!!」
会長の孫のせいで、
私のクビがとぶ!!!
「どうしても？」
「どうしてもです！！」
目の前のエレベーターが
音を立てて、フロアに到着した。
タイミングが良いか悪いか、
幸運なことに、中には誰にもいない。
「僕は、
もっと繋いでいたかったけどな…」
「え？なに…？」
ボソリと話した彼の声は
私の耳には届かなかった。
しかし、
「料理楽しみにしてるね！」
と笑顔で私の右手をそっと離して、
エレベーターへと入っていった。
ふぅ…
まずは、今晩の買い物からだな。
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紫歩(プロフ) - ハラミさん» こんにちは！初コメントすごく嬉しいです！ウォヌ君、可哀想なシーン多いですが、これからも温かい目で見守ってください笑 (2018年3月17日 8時) (
レス) id: 5e536b6590 (このIDを非表示/違反報告)
ハラミ - なんて素敵な大人な作品なんですか、、、ウォヌ氏との関係性どうなるか楽しみにまっています！！！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: 153cfb6759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫歩 | 作成日時：2017年5月14日 16時
