脱出鬼ごっこ

3日目の鬼ごっこが始まる前のこと ページ12

小さい頃のるき

るき視点






「ごめんなさい」
何でいっつもこうなんだろう。

前の、家の方が好きだった。なのに、気づいたら他の家にいた。

前の家の記憶は本当にうっすらと覚えてる。
楽しかった。
「やめてよっﾋｸﾞｯ。ママ…ごめんなさい。」
いつも殴られた。蹴られた。
もうこの家にいたくない。
ろくにご飯も与えてくれない。
小6になってからは、すぐに家にかえったら、友達と遊び、部屋にこもっていた。
そんな僕でも好きな事ができた。
友達が作れた。

なのに、あの家の人たちは変わらない。
何も変わらない。















あれ？
夢？
「ﾁｯ」
舌打ちをする。
ここはあの家よりもマシだ。
起きあがると昨日の事がだんだんと頭に浮かんでくる。
そうだ僕は、昨日鬼に捕まったんだっけ？
なんか、マムスから昨日説明をされた気が……
思い出せない。

誰かに体当たりをされたんだっけ？
あっそうだ。昨日僕はみてた。ちゃんと。

体当たりをされた奴と一緒にいた女の子が殺されていた。
僕が殺したってマムスから言われた。
昨日、牢獄にその女の子はいた。
その子はもう、5回目をタッチされたと言った。

人懐っこい良い子だった。
小3くらいの子だった。
僕に体当たりをした妹だと言って、僕に体当たりをしたお兄ちゃんを怒っていた。

昨日の夜、マムスに起こされた。
マムスは女の子の胸ぐらを掴んで、

「お前がやった。お前が鬼の目をこの子に向けた。」
と言って、怯えてる女の子に銃口を向け、うった。







ﾋﾟｲｲｲｲ
笛の合図。
3日目の鬼ごっこが始まる。

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