11話 ページ12
自分でも何が何だか分からないうちに、飛雄くんとまたお付き合いを始めることになった。
正直、会いに来てくれると思ってなかったし、そもそもまだ私の事を好きでいてくれたことに驚きしか感じなかった。
あのあとお昼休みが終わるまで二人で過ごし、「今日一緒に帰らねぇか?」という飛雄くんの誘いに乗った私は現在、第二体育館前で待機しています。
「おつかれっしたー!!」という声が中から響く。
終わったかな?とそわそわしていると扉が開かれて、坊主頭の人とパチッと目が合った。
「「・・・・・」」
その人は目が合うと同時に顔を少し赤らめて、「て、天使がいるぅううう!!!」と叫び出した。
その声につられて続々と人が外に出てきた。
「またなーに騒いでんだよ、田中!他の部に迷惑だから止めろって言ったろー?」
「スガさん!だって見てくださいよ!天使ですよ!可愛すぎる女の子がここに!!」
「止めなさいって!怖がってるでしょうが!」
「大地さん!でも龍の言う通りめっちゃ可愛いっすよ!!もしかしてマネージャー志望とか!?」
どうしよう。なんて切り出したらいいのか、分からない。大人しく図書室とかで待ってれば良かったかな。注目を集めるのはなかなかに恥ずかしい。
そう思っていたら、隣のクラスの山口くんが体育館から顔を出した。
「あれ?及川さん??
あ!もしかして影山待ってるの?」
「あ。うん、そう…なんだけど。」
私が言葉を発した直後、ぴょんぴょんとはしゃいでいた坊主頭の人と、前髪の一部が金髪の人が真顔になった。そして、「かーげーやーまーっ!」と大急ぎで体育館内へダッシュしていく。はやいっ!
「あー…えっと、ごめんね?及川さんだったかな?影山だったらすぐ来ると思うから、もうちょっと待ってやって!」
色素の薄いグレーのようなミルクティー色のような髪をした優しそうな人に話しかけられた。多分だけど、3年生な気がする。
「はい、大丈夫です!こちらこそ、なんかお騒がせしてしまっていてすみません。」
「いやいや!とんでもない!」
「いえ、本当に申し訳なく……」
「お前たち。いつまで続ける気だ?」
お互いに謝っていると、程よい威圧感のある人が止めてくれた。確かにずっと続きそうな感じだった。
「肌寒くない?」とか色々聞かれてるうちにバタバタと足音が近付いてきた。パッと音のする方を見ると、飛雄くんがさっきの二人とオレンジ色の髪の人と一緒にこっちに向かって走ってきた。
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作者名:灰次 | 作成日時:2019年6月28日 10時