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「私を千恵から遠ざけたかったんじゃないの？」
Aが鼻で笑ってそう言った。
「ここ最近、君と話しててわかったからね。
俺たちのことなんてなんとも思ってないって」
「違う。
なんとも思ってないんじゃない」
「へぇ」
「嫌い。大嫌い」
「ははっ」
淡々と口にした言葉に、いつかのように幸村は笑った。
幸村は思った。
彼女は自分が言ってることの意味に気づいていないのだろう。と。
好きと嫌いは裏と表ではない。
すぐ隣にあるものなのだ。
虫けら程度にしか思っていなかったはずなのに。
彼女はいつの間にか、変わっていたようだ。
「嫌いって言われて喜んでるの？
ドM？」
「ふふ、黙ろうか」
幸村の黒い笑みにより、Aは口をつぐんだ。
幸村を怒らせたら面倒なことになるとわかっていたのだ。
「で、俺と付き合う？」
「本気で言ってるの？」
Aは戸惑っていた。
少し前まではあれほどまでに自分を嫌っていたのにと。
Aはもう誰とも付き合う気はなかった。
どうせ死ぬ自分に好意だけ抱かせて去るなんて、もうできなかったのだろう。
だが、幸村は彼女のことを好きではない。
なら、傷つけることもないんじゃないだろうか。
そんな葛藤が、頭の中で繰り広げられていた。
「俺が冗談なんて言うと思うかい？」
「よく言ってるでしょ」
腕を組み、冷ややかな目で幸村を見上げるA。
それにフッと笑みを零した幸村は、刹那、表情を消し、真剣な顔つきで口を開いた。
「俺は本気だよ」
真剣な声色に、Aは静かに息を呑んだ。
「何を、企んでるの？」
「何も企んでなんていないさ」
「嘘」
「嘘じゃない」
繰り返される質問に淡々と答える幸村。
どちらも譲らない。
「もし付き合ったとして、君になんのメリットがあるの？」
Aがその核心に触れた時、幸村は目を細めた。
「ただの女よけ、だよ」
確かに、彼女がいれば女子たちも安易には近づかない。
否、近づけない。
自分がAより優れているなんて思うものは、一握りすらいないのだから。
だが、その言葉が嘘だと、Aは気づいていた。
その嘘にAは……。
「わかった。
その話、乗るよ。
君の彼女でもなんでもやってあげる」
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ゆき - 文才が天才的ですね♪ これからも楽しく読ませていただきます！(私は小6なので言葉おかしかったらすみません) (2017年5月8日 16時) (
レス) id: 1ca8e8f005 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 射命丸霊夢さん» ゆっきーの誕生日です。笑 いえ、こちらこそありがとうございます。 (2015年1月3日 7時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - ああ、なる…。ありがとうございいます。 (2015年1月3日 0時) (レス) id: 0d3418cc1f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 射命丸霊夢さん» 0305です！ (2015年1月2日 19時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - かまわないです。おねがいします。 (2015年1月2日 19時) (レス) id: 0d3418cc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINO
| 作成日時：2014年2月22日 13時
