39.過去 ページ40
それから私は、だましだまし薬を飲みながら普通の生活を送るようになった。
けれどそれはあくまでも痛みを止めたりするもので、吐血などの症状は続いていた。
そして私は光を避け始めた。
愛に溺れた私を見て欲しくなかったから。
だけど。
『なんで俺を避けんねんっ』
『好きや』
『どんなお前も受け入れる』
『お前が必要な時だけでええ』
『お前が呼んだらいつでもかけつける』
『邪魔になったら捨てればええっ』
『だから……っ』
その日はあの日からちょうど2年だった。
私は弱っていた。
そんなの、ただの言い訳。
だけど、この時期だけはどうしようもない不安に襲われて、孤独に泣きたくなった。
私、幸村が言うようにわかってた。
周りにいる男たちは、私の中身を見てなんかいない。
偽りの愛だって。
だけど、ただ1人。
光だけは全てを含めた“私”に愛をくれた。
そんな光に縋っていたかった。
すぐに死ぬ私が、そんな最低なことをして、いいはずないと分かっていたけど、せめてあの時期だけは……。
そんな生活が続いて。
愛に執着するようになって。
心が満たされているような気がした。
だけど病気は待ってくれなかった。
蝕まれていく体。
すり減っていく命。
私は、死期が近いことを悟った。
その時、ふと思ったんだ。
私が死んだら、光はどうなるの？
急にいなくなって、病気だったなんて告げられて。
光は光のままでいられるの？
だったら、突き放した方がましだった。
『俺が……邪魔になったんかっ？』
『そうかもね』
『そんなん、嫌や』
『光。別れよ』
光が嫌だって。
そう言ったのはいつぶりだったかな。
邪魔になったら捨てていいって言ったくせに。
本当、馬鹿。
私はLINEも電話番号も全てを消した。
誕生日にもらった熊のストラップも。
テニスで地区優勝した時にくれたリストバンドも。
小さかった頃に約束した『お嫁さん』の証のストローの指輪も。
全部全部捨てたんだ。
二度、光を傷つけないように。
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ゆき - 文才が天才的ですね♪ これからも楽しく読ませていただきます！(私は小6なので言葉おかしかったらすみません) (2017年5月8日 16時) (
レス) id: 1ca8e8f005 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 射命丸霊夢さん» ゆっきーの誕生日です。笑 いえ、こちらこそありがとうございます。 (2015年1月3日 7時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - ああ、なる…。ありがとうございいます。 (2015年1月3日 0時) (レス) id: 0d3418cc1f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 射命丸霊夢さん» 0305です！ (2015年1月2日 19時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - かまわないです。おねがいします。 (2015年1月2日 19時) (レス) id: 0d3418cc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINO
| 作成日時：2014年2月22日 13時
