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｢そろそろ文化祭か｣
｢だる｣
部活が終わって一緒にグランドから出る御幸とふとそんな話をする。
去年の文化祭を思い出して、やだなぁなんて呟くと御幸が不思議そうな顔をする。
｢何で？｣
｢ミスコン｣
あぁ、と納得する御幸に去年のミスコンを思い出す。
青道高校文化祭にはミスター＆ミス青道コンテストなんて誰が作ったか不明のイベントがある。
去年エントリーなんてしてないのに、周りに勝手に推薦枠で入れられ大変だった。
大勢の前で決め台詞言わないといけないという苦行。
このイベントのせいで青道の王子なんて異名を付けられてしまったわけで。
｢今年も推薦枠出でるかもな｣
｢勘弁してくれ｣
｢ドンマイ｣
御幸も綺麗な顔してるんだから出れば良いのに、と言えば俺は絶対無理、なんて言うもんだから。
｢文化祭無くなんねぇかな｣
｢それは無理だろ｣
数週間後に迫った文化祭の事を考えると溜息しか出なかった。
.
文化祭当日、俺のクラスC組は女子の無言の圧力でメイド喫茶ならぬ執事喫茶になる事に。
用意された服に袖を通して接客をする。
もう正直帰りたい。
友人に本物の執事見てぇと笑われるし、女子には売上貢献しないと承知しないと言われ。
もうマジ帰りてぇ。
.
｢いらっしゃいませ｣
何名様ですか？と問えば女子特有の甲高い声が耳を貫く。
｢かっこいいですね！｣
｢連絡先交換しませんか？｣
｢彼女いますか？｣
｢一緒に回りませんか？｣
俺の目の前に詰め寄ってくる女の子に困り果てる。
何がどうしてこうなった。
▽
内容に困ると文化祭ネタとか出すの良くないよな。
続く (更新停止中)
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作者名：おえかきちょう | 作成日時：2020年3月5日 3時
