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｢オフ？｣
｢監督の身内に不幸があったみたい｣
突然聞かされた週末のオフ、毎日野球漬けだから、突然休みになっても何をしていいか浮かばない。
｢それでさ｣
｢ん？｣
｢買い物付き合って！｣
他のマネージャーと行けば良いじゃん、と言えばもう既に予定を入れられてしまったらしくて。
こいつにお願い、と言われれば断れない。
｢分かったよ｣
｢やった！｣
ありがと！と満面の笑みを浮かべる唯にはいはい、と適当に相槌を打つ。
｢あと、今日泊まり行くから｣
｢は？｣
｢前から言ってたじゃん｣
親が旅行中なの、と言った唯に確かにそんなこと言われた記憶がある。
｢だから、泊まりいくね｣
泊まりねぇ、唯の親も俺の事を信用して唯を預けるんだろうけど、もう少し考えてほしい。
俺も思春期真っ只中の男子高校な訳で。
そう簡単に信用されてもなぁ、と苦笑する。
.
｢てことなんだけどどう思う？｣
部活が終わり一緒に片付けをしていた倉持に朝の出来事を話してみる。
｢ほら、俺も男じゃん？｣
｢じゃあ逆に、夏川に手ぇ出そうとか思うのか？｣
｢それは無い｣
なら問題ねぇじゃん、絶対にないって即答できんだから、と言われてみれば確かに、と納得するしかなくて。
でも、何かこう、あるじゃん？なんて言うか、言葉にするのは難しいけど。
｢俺、男だと思われてないのかな？｣
｢あー、ワンチャンある｣
｢まじかよ｣
まあ、幼馴染みなんて友達の延長線みたいなもんだろ、と笑って言ってのける倉持に、それが一番難しいんだろ、と言えば確かにな、と笑われる。
｢俺手ぇ出したらどうしよう｣
｢お前に限ってそれはない｣
｢倉持…｣
ありがとうチーター様、と言えばやめろそれ、と言って倉持の蹴りが入った。
.
｢これ思ったより痛い｣
｢男には手加減しないって決めてんだよ｣
｢いや、女にはやるなよ｣
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もう寝よう、忘れよう
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作者名：おえかきちょう | 作成日時：2020年3月5日 3時
