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あれから暫くバスケ部に入り浸りだった御崎が帰ってくる。
何時もより少し上機嫌で部活に行けば目的の御崎の姿がない。
近くにいたゾノに話を聞けば、御崎は今日欠席だとのこと。
｢まじかよ｣
少し落胆してブルペンに足を向けると夏川が走ってくるのが見える。
｢御幸君、料理できたよね？｣
｢まぁ、出来るけど｣
｢一樹風邪で寝込んでるらしいの｣
家行って貰える？と言う夏川に二つ返事で返す。
.
御崎の家に着き、インターフォンを鳴らすと暫くしてドアが開きマスクをして少し辛そうな顔をした御崎が出てくる。
｢…御幸？｣
｢お見舞いに来た｣
態々ありがとな、と少し辛そうに咳をする彼に少し寝てろ、と言えばごめん、と呟いて布団に潜り込んだ。
｢取り敢えずお粥｣
2度目のキッチンで手際よくお粥を作っていれば、時折聞こえる辛そうな咳に、はちみつレモンでも作っておくか、と呟く。
｢…御崎｣
寝ている御崎を起こしてお粥を差し出せば、ありがとうと辛そうに笑う。
｢…美味い｣
｢まあ、味には自信ある｣
｢だろうな｣
半分くらい平らげて手が止まる彼に、要らない？といえば小さく頷く。
はちみつレモン温めてくるから待ってろ、と彼に告げてキッチンに戻る。
｢ほら、熱いから気をつけろよ｣
｢…ありがとな｣
ちびちびとはちみつレモンを飲む姿に思わず笑うと、猫舌なんだよ、と睨まれる。
｢頭痛てぇ｣
｢熱は？｣
｢知らね｣
測れよ、と言えば面倒臭いからいい、と言う彼に体温計を渡して熱を計らせる。
｢なんで体温計持ってんの？｣
｢夏川に渡された｣
どうせ測ってないだろうからって、と言えばまじお節介ババアだなあいつ、と呟いた彼はとても優しい顔をした。
.
｢暖かくして寝ろよ｣
｢…御幸｣
｢ん？｣
ベッドに入った御崎が俺の服の裾を掴む。
｢…寂しい｣
｢…え？｣
半分寝惚けているんだろう、目が虚ろな彼の頭を撫でて、一緒にいるから、と言えば安心したように目を閉じた。
｢おやすみ｣
暫くして規則正しい寝息が聞こえてくる。
普段こんなに近くで見ることの無い彼の顔。
まつ毛が長くて、少しピンク色に染まる頬が少しえろい。
寝ている事を良い事に彼の唇に自分の唇を重ねて、好きだよ、と呟いてたが返事はなかった。
▽
眠れない。煙草ない。おわた
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作者名：おえかきちょう | 作成日時：2020年3月5日 3時
