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放課後、ブルペンで沢村達の投球練習に付き合っていると、フェンスの向こう側に夏川の幼馴染みの姿を見つける。
｢御崎くん？｣
そう声掛けると彼は、御崎で良いよと綺麗な顔で笑う。
｢どうしたの？｣
｢唯、居る？｣
｢今ボール出ししてるから｣
じゃあ、これ渡しといてくれる？と彼から夏川への渡し物を預かる。
｢ありがとね、宜しく｣
｢いや、大丈夫だけど｣
ありがとう、と彼はやっぱり女子受けしそうな綺麗な顔で笑った。
｢イケメンだな｣
｢は？｣
｢あ、いや、何となく｣
彼は一瞬驚いた顔をして、その後すぐにいつもの綺麗な顔で、御幸の方がかっこいいよと言った。
何となく、その笑顔がどこかで見た笑顔と似ていて。
｢どこかで会ったことあるっけ？｣
｢…どうだろう？｣
彼は一瞬悲しそうな目をして、じゃあ、練習頑張って、といつもの笑顔でそう言って彼は校門に向かって行った。
｢はぐらかされた｣
どこかで見た事ある顔なのに、どうしても思い出せなくて。
どこかスッキリしないで練習に戻れば、倉持に何かあったのかと聞かれる。
｢御崎一樹って知ってる？｣
｢C組の？｣
｢そう｣
｢有名人だろ｣
｢は？｣
青道の王子、そう倉持に言われてなるほどと納得した。
確かにイケメンだからな。
｢そいつがどうかしたのかよ｣
｢何かどっかで会った気するんだよな｣
思い出せないんだよな、と言えば倉持は笑いながら気のせいじゃねえのと言った。
まあ、確かにあのイケメンと知り合いなわけないか、と苦笑した。
｢ボッチのお前があの有名人と知り合いな訳ないだろ｣
｢お前、失礼だな｣
｢事実だろ｣
ヒャハハと笑いながら倉持は守備練に向かって行った。
｢夏川に聞いてみるか｣
そう呟いて球を受けろと五月蝿い沢村の声を聞きながらブルペンに足を進めた。
▽
｢バレたかと思った｣
御幸にどこかで会ったことあるっけ？と聞かれて、正直驚いた。
まさか、そんな事を聞かれるとは思ってなかったから。
まあ、いずれバレる事だろうとは思っていたけれど、今はまだバレたくないな、と思いながら駅に足を進めた。
｢ちゃんと諦めが着いたら｣
その時はちゃんと話そう、そう心に決めて。
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主人公(男)は完璧私の趣味です。
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作者名：おえかきちょう | 作成日時：2020年3月5日 3時
