１LDK （O.S）

４０．２LDK ページ41

.





午後3時過ぎ




待ち合わせしたオープンテラスのカフェで先に到着していた弟の潤がこちらに軽く手を挙げた




潤はファッションにうるさい。
お洒落な雰囲気のあるセットアップに高そうなネックレスを合わせている
どれもこれも派手な柄なのに顔が負けてない。
本当に昔から洋服映えする顔立ちだ。









「いた。あれ、弟の松本潤」




「うわ、なんか緊張してきた」




「なんでよ(笑) いつもどーりいつもどーり」









ふーふーと隣で深呼吸をしている彼を見ると
なんだか可笑しくて つい笑いが込み上げた。









「お待たせ」




「どーも、ご無沙汰してますお姉様」









潤はそう言うと軽く会釈をした。そして私の隣の智くんに視線を移した。




クイっと眉が上がって潤の小さな頭が “誰？” と言うかのように傾いた。









「あ、紹介するね 大野智くん。私の彼氏」




「大野です」




「どーも、弟の潤です …つか…男変わった？」




「そう、前の人とは別れて、結婚も破断した」




「は！？まじかよ… 色々変わりすぎてビビるわ…」




「びっくりさせてごめん」









私と智くんは席についてを注文した。









「まあそんなこんなで、保証人になってほしい訳なんです」




「え？大野くんと一緒に住むの？」









そう言いながら契約書を読み、納得した彼は “あー、そーゆーことね。” と言い、ペンをスラスラと走らせた。









「へぇ、２LDKにしたんだ？」




「俺は１LDKでいいって言ったんだけどね」




「ちょっと智くんいらないこと言わないで」




「おい俺の前でいちゃいちゃすんなよ(笑)」








私は急にポッと頰が熱くなり、運ばれてきたばかりカフェオレに口をつけた。









「まー、いいんじゃない？部屋なんてあるに越したことねぇじゃん。使わないなら物置きにしちゃってもいいしね」




「いつそんなしっかりしたこと言えるようになったの、おねーちゃん信じられない」




「うるせぇよ(笑)」









きちんと一緒に暮らすことが決まり、ちょっと大きな部屋に引っ越そうかと話し合い、
今の家からほど近い ２LDKの部屋を借りることになった。




『部屋1個でいーって』


『2個にしようよ』


『一緒に寝ないの？』


『たまにでいいでしょ？』


『やだよ たまになんか。つまんねーじゃん』




なんて話をしたけれど結局私が意見を押し切って２つ部屋のある２LDKにした。





.

４１．「ご飯何にしよう？」（終）→←３９．彼の世界に…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す