英雄のお迎え ページ28
基地から現れたのはガープだった
スモーカーから白電伝虫での極秘連絡でAを保護したと連絡を受け、ここへやって来ていた
まさかの人物の登場にAは開いた口が塞がらないでいた
「ガープ、さん…なんで」
「行動が早いな…」
「私達も着いた時驚きました…」
ニッと笑っているガープにAはどうすればいいのかスモーカーを振り返る
子供達を一緒に送りたいし、彼が動けるまでは傍にと思っていたのだが、スモーカーにも残れと言われしぶしぶ了承した
「ここに居た方がお前は安全だ。出てる方が知られるリスクがあるからな」
「…わかった」
「A！安心してください！スモーカーさんは必ず私が守ります！！」
「うるせェたしぎ！お前はガキ共の相手しとけ！」
理不尽に怒られるたしぎはヒーンと子供達の誘導に行ってしまい
Aは素直じゃないなぁと呆れて笑った
そして船を降りようとするとスモーカーに呼び止められそばに寄った
「なに？っわ…」
「すぐ戻る。待ってろ」
腕を引き流れるようにキスをされ言われたその言葉に、驚きながらも顔を赤くしたAはそれを隠すように俯きながら医務室を出て船を降りていった
「Aお姉ちゃん！ありがとうー！」
「また会おうねー！」
到着して間もなく、ベガパンクの研究所に向けてまた動き出した船
そこから大きく手を振る子供達にAも大きく手を振り返した
必ず、親元へ帰れますように
離れていく船に祈り、見えなくなるまで見送った
「元気そうで安心したわい」
隣で一緒に見送ったガープは、その大きな手をAの頭に乗せポンポンと少し強めに撫でた
それだけでまた潤むAの視界
そして零した言葉にガープは被せて
「ガープさん、ごめんなさ…
「謝るのはわしの方じゃ。気付いてやれんですまんかった。」
「っ…」
「もう安心せい。わしらがお前を自由にしてやる」
Aはボロボロと流れる涙に手で顔を覆い、こぼれ出そうになる泣き声を唇を噛んで我慢した
ガープはそれ以上何も言わず泣き止むまで頭を撫で続けた
G-5基地内
基地長のヴェルゴ不在の中、いつも通りの海兵達
01部隊の塔内を歩くガープとAは、基地長室に入りそこにあるソファに腰を下ろした
「…さて。スモーカーからどこまで聞いとるんじゃ？」
ここから自由への1歩が踏み出されようとしていた
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年4月7日 22時
