歓迎しますっ ページ26
しばらくぼーっと海を眺めていると、後ろから感じる視線に振り返った
物珍しい物を見るような、何か言いたげなようなG-5の海兵達
そういえばちゃんと挨拶もしていないので、あらためてと声をかけてみた
「えーっと、Aです。あ、イヴァンの方がいいのかな…。どこまで聞いてるのか分からないけど…よろしくね？」
海軍時代、G-5との関わりは全く無かったのでほとんどの海兵達とは初めましてだ
中将だった事は当然知っているらしいが、頂上戦争でのイメージがあるのでどっちかというと鬼神の方が強いらしい
最初は警戒されていたがすぐに打ち解け、今食堂で皆でわいわい食事をしていた
「いやァ、これからAちゃんまでG-5に来るんだろ！？たしぎちゃんとAちゃん、女の子が増えるなんて夢のようだぜェ！」
「ギャハハ！食堂にもバーちゃんいるじゃねェか！」
「女の子いないの本当なんだねー。たしぎちゃんも大変だったろうな…って言っても私、また海兵になる訳じゃないんだしもしかしたら牢獄生活かもしんない…」
「えェェ！そりゃひでェよ！スモやんに掛け合ってみようぜ！！」
「そうだな！！」
この人達、きっとハニートラップ的な物にはめちゃくちゃ弱いだろうなと思いながら最後の一口を食べて、席を立つ
スモーカーさんの様子見てくるねと言い食堂を出た
医務室のドアを開けるとベッドで眠っているスモーカー以外は誰もいなかった
ベッドのそばに置いてある椅子に腰掛けその寝顔を見つめた
痛々しい姿にそっと触れる
温かい手にちゃんと生きているのを実感し、パンクハザードで気を抜いてあの場から離れた自分を悔やんだ
「はぁ…。ごめんね、スモーカーさん…」
「謝ってばっかだな、お前は」
「っぅえ！？」
驚いて顔を見ると目が開いていてバッチリと目があった
「お、起きてたの…」
「お前が入ってきたので起きた」
「もー言ってよ！心配してたのに」
「で？なにがごめんなんだ。また消えようってか？」
「ち、違うよっ。私のせいで…
「これァ俺の失態だ…だかお前に何も無くてよかった。麦わらに示しがつかねェとこだったよ。あの人に感謝だな」
珍しく素直に言うスモーカーは多少は参っているのか、はァと溜息をつきながら髪をかきあげ、そして葉巻を咥え火をつけた
フラフラな状態で目の前に立つあの背中を思い出し、本当に生きててよかったと目の前の手をぎゅっと握った
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年4月7日 22時
