前夜の本音の愛しき声 ページ8
エースの公開処刑を翌日に控えたマリンフォード 海軍本部
その中で、また海軍内はある事件に騒然としていた
「ぶわっはっはっ！」
「何がおかしいガープ！！エニエスロビーに天竜人の事件に引き続き！全てが前代未聞だぞ！！」
「やりおるわい！！さすが我が孫！」
シャボンディ諸島でバーソロミュー・くまが麦わらの一味を仕留めたと報告していたが、一味の船長モンキー・D・ルフィが大監獄インペルダウンに"侵入"しエースの救出を目論んでいるという報せが入り、センゴクは大笑いするガープに詰め寄っていた
「貴様が英雄などと言われていなければ一族全ての責任を取らせる所だがな！！」
「わっはっは！この老いぼれの命でどうこうできる程もう事態は小そうないわい！」
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「麦わらがインペルダウンに！？」
「海賊が逆に侵入なんて聞いたことないわ。やっぱりルフィも動いてたか」
インペルダウンにエースを助けに行ったと聞いて本当にルフィはいつまで経ってもルフィだと少し安堵のため息が出た
だがあのインペルダウンだ。もし助けられたとしてインペルダウンでの戦争も有り得るなともう一度準備に取り掛かっておいた
その日の夜
シャボンディ諸島の無法地帯に停めてあるローの海賊船ではローもクルーたちも眠りについていた
協力してもらうついでにこの2日間宿替わりにさせてもらっているが、明日のこともありなのか眠気が来ず、島に降りてシャボンに乗りながら月を眺めていた
全てを知り自分の力に未だに戸惑っている
やっぱりそうかと受け入れてはいるが、この先どうしたいのかが分からない
もう戻ることなんてありえないが、未練がましくまた帰りたいと思ってしまう日々
でももう居場所は無いのだ。
"正義"はきっと守ってくれないのに
あァ今は忘れようと頭を振り、それよりも今は大事な家族を、エースを死なせない。必ず助ける
その気持ちに切り替えて目を閉じた
手荷物の中からプルプルと鳴る電伝虫
カバンに押し込んだままの海軍コートの中からだ
取り出すとそれは葉巻を加えたあの人からで
出るべきでは無いのにそっと受話器を持ち上げた
「《っ…A？》」
さほど時間は経っていないのに酷く懐かしい声に鼻の奥がツンとした
「《ちゃんと生きてんだろうな？…生きてんならそれでいいんだ。…側にいてやれなくてすまねェ》」
伝言を残すかのように話すとガチャと切れた電伝虫
Aは膝を抱えて彼の温もりを思い出した
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月29日 23時
