見え隠れする真実 ページ26
「Aさん…最近よく道場に来られるなぁ」
「まァ、今は麦わらの事が気になってんじゃねェか？」
「そう、ですよね…」
ガープと別れたあと、道場にきたAは竹刀を持ち小一時間素振りをしていた
手持ち無沙汰な時は鍛錬に限る
「っふ…っ！…ふぅーーっ。あー、つかれた」
バタンとその場に倒れ込み息を整える
そこに見ていたコビーとヘルメッポが近寄ってきた
「Aさん、コレどうぞ」
「あ、…ありがとー」
コビーから水を受け取りゴクゴクと飲み干す
汗でへばりついた髪をかきあげ、ぐっと伸びをした
「気になるんだろ？やっぱり…」
「…まぁね。でも私に出来ることはないんだよ…それにきっとルフィなら大丈夫。って言い聞かせてる」
「Aさん…そうですねっ」
お互いのルフィとの関係を知っているからこそ、ルフィを信じる気持ちは一緒だった
「そういえば、2人とも軍曹と曹長になったんでしょ？すごいね！！」
「いやァ、まだまだですけど、もっと上へ行けるよう頑張りますっ！」
「きっといけるよ！」
少したわいのない話をして、それぞれまた仕事や鍛錬にもどっていった
-----
歴史書庫
倒れた日以来、来ていなかったがAはある事を調べにまた足を運んだ
「きっとないんだろうけどな」
それはこの前ユメクイナ島で見た"鬼神一族"のこと
ロビンの話では滅んだ一族だというが…
「……はぁ、やっぱりないか。あるとすれば禁書に…でも元帥許可がいるしなぁ」
「あっ、A中将。あれ以降お体は大丈夫ですか？」
「うん。ごめんね？迷惑かけて。…君は、鬼神一族って知ってる？」
「鬼神一族ですか？少しだけ話は聞いたことありますけど…でもほとんど知らないです。知っておられるのは当時バスターコールに出た方達ぐらいだって…ほとんどがもう上の方達ですね。でも事件の話は他言無用とされているとか…」
「そっか…」
「あ。島の名前は確か"ファミリア"」
「ファミリア…」
ドクンドクンドクン…
体の奥底が波打つ。背中を冷や汗が伝った
また倒れる訳にはいかないと、彼にお礼を言い書庫から出るとすぐさま壁に手をついて座り込んだ
「っはぁ…はっ。なんなの、これはっ」
何かが暴れだしそうな。血が沸き立つような。
霞む視界に見えたのは、獣のような腕
瞬きをした瞬間、自分の腕に戻っていた
「私はいったい…」
しばらくそこに蹲り落ち着くまで目を瞑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
