鯨船家族に助けられた話 ページ30
-5年前-
「マルコ！こんなとこにガキが倒れてる！」
「ガキィ？お、本当だよい。おい、生きてるか？」
「んんぅ…すぅ…」
「寝てやがる…」
新世界
とある島に白ひげ海賊団が停泊していた
そこに1人の少女が道端で眠っていたのをマルコたちが見つけ、さすがにこんな所に放ってはおけないと船に連れ帰り医務室に寝かせた
「オヤジィ、ちっとガキを拾っちまってよい。起きたら帰すからしばらく置いといていいか？」
「グラララ。あァ構わねェぜ。面倒見てやれ」
「ありがとよい」
そのうち起きるだろうと思っていたが中々起きず。しっかり1日寝てやっと次の日目を覚ました
「ここどこ…」
「目ェ覚めたかよい？しっかしよく寝てやがったなァ」
「…パイナップルが喋った…」
「よォし、今すぐ帰れ。」
「冗談だよ…ごめんなさい」
少女は毛布に隠れるように被り直したがマルコに引っペがされ取り合いになった
ガチャ
「おう、どうだ？まだ寝てんのか？…って、何やってんだお前ら」
「生意気なガキだよい」
「だって本当にそう思ったんだもん！」
医務室に入ってきたサッチは意外な光景を目にし、事情を聞いて大爆笑した
「おもしれェじゃねェかお嬢ちゃんっ。どうだ、腹減ってねェか？」
「ぺこぺこ！！」
「おうおう、そうか！ちょっと待ってな！作ってきてやるよ」
そう言って出ていき、しばらくして料理を持って戻ってきた
「んんん！おいしーい！」
「そうか！そりゃ良かった！んで、お前名前はなんてんだ？」
「Aだよ」
「この島の子か？」
「んーん。海軍の子」
「あァ？親が海軍か？それじゃァこんなとこ居ちゃまずいな」
「そうだよね、絶対2人共海賊だもんね」
「さすがに分かってたかよい」
「まぁね」
モグモグと食べながら話すAは、海賊と聞いても全く動じないので、なかなか肝のすわったガキだなとマルコは腕を組んだ
「食べたらさっさと行くんだよい。
「近くまでは来たけど…うるさいから逃げてきたの。そしたら疲れて寝ちゃった」
「反抗期か」
だからと言って匿う訳にはいかない。相手は海軍、こっちは海賊。倒れていたのを助けたと言っても信じるわけがないだろう。
「ごちそうさまでした。ねぇねぇ、船の中見て回ってもいい？」
「ダメに決まってるだろうよい！」
医務室から出ると船を見渡すA。楽しそうな横顔にマルコも呆れて笑みがこぼれた
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
