明かされた過去 ページ20
「Aに何があったんじゃ」
「いや、僕にも…大きな音がしたので見に行けば、中将殿が倒れておられて…」
Aが救護室に運ばれたと聞き慌てて飛んできたのは、ガープとつるだった
「でも珍しいね、書庫に居たなんて」
「…そうじゃな。何をしとったんじゃ？」
「古い文書はどこか、と。傍に落ちていたのは、この島の歴史書がありましたが…」
「っこれは…」
ガープは受け取った文書を見ると顔を青ざめさせた
「…ホグミー島の歴史書か。まさか、ねぇ」とつるはガープを見やると、ガープは眉間のしわを深めさせた
「…おしえて…ガープさん、なにがあったのか…」
「っA！目が覚めおったか」
「どうだい？気分は」
「うん、大丈夫…。それより、本当のこと、おしえて。私はどうして、ここに居るの？」
目を覚ましたAは真剣な眼差しで2人を見つめた
倒れる前に見た事の真相を、自分を拾ったこの2人は知っているのだと確信していた
ガープはもう言い逃れできまいと少し溜息をつき、書庫長の彼に出るよう伝えてAに向き直った
「少し、長い話になる」
15年前、海軍へ一通の救援信号がかかってきた
それはホグミー島からで、海賊が暴れているというものだった
この島の周りは海流が荒く、あまり海賊も辿り着けないのだが、たまたま流れ着いた海賊がまた海に出るためと、村を乗っ取り暴れだしていた
村の食料に物資と、海賊に奪われていき
戦おうと立ち上がった人々をこ ろし、逃げる人達をも次々と手にかけていった
そこに海軍を率いて来たのがガープで、到着した時には、村中血の海が広がりまさに地獄絵図という状況だった
だか元凶の海賊が見当たらず探していると、村の中央で大男達が見るも無惨な姿で転がっている中、1人の子供が咽び泣いていた
「？！どうなっておるんじゃ…」
その状況に驚きながらもその子供の傍に寄っていくと、その子はこちらに気づきそのまま意識を手放した
ガープは血まみれのその子を抱き抱え、親がいないか周りを見渡すが、生存者達の恐怖の視線が子供に向けられているのが分かり、ひとまず船で手当てする為連れて戻ると、つるに来るよう連絡をした
そして到着したつるに状況を話し子供の世話を頼み、生存者への聞き込みをしに向かった
子供の名前は"A" 。年は4つ
孤児で、老婆が1人で育てていた
そしてみな口を揃えてこう言った
『鬼に取り憑かれ子供だ。早く連れて行ってくれ』と。
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
