月明かりに照らされたら ページ15
「ちょっと、スモーカー君！まだ帰らないわよ？！あの子達との話がまだ済んでない！ヒナ悲劇！」
「うるせェよ、お前は飲みすぎだ。タクシー捕まえるから乗って帰れ」
「私に命令しないでくれる？その前にAはどこ行ったの？！ヒナ心配！」
「店にいる。帰りは俺が送ってやるから心配すんな」
「…送りオオカミになるんじゃないわよ？」
「バカが、早く行きやがれ」
近くではタクシーが捕まえられなかったので大通りまで出て、ヒナを預けたスモーカーは店に向かった
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「んーーっ。夜風が気持ちいな…酔い醒ましに丁度いい」
島の中央にある海軍本部まではほとんどが上りなので、少しひらけた場所に出れば景色がとてもいい
Aは休憩がてらベンチに座りぼーっと海を眺めた
夜の海は暗くて満点の星空と繋がり何処が水平線かわからない、よく考え事などしたりする時部屋から見えるこの景色が好きだった
「違う場所から見るのもまたいいな」
カツカツカツ…
ぼーっと眺めていると後ろに誰か近づく音が聞こえて振り向くと、暗闇からゆらりと煙があがりスモーカーが月明かりに照らされていった
「まったく、1人で帰ってんじゃねェ。戻ったらいねェから焦ったじゃねェか」
「スモーカー、さん？あれ、ヒナさんと帰ったんじゃ…」
「タクシーに預けてきた。あいつの相手なんざこりごりだ」
スモーカーはAの隣にどかりと座り深く煙を吐き出した
ヒナは大丈夫なのかと心配だったが、これもいつもの事だなと、少し笑ってまた海に視線を戻した
「そういえばスモーカーさん、なんでマリンフォードにいるの？今思ったけど」
「ちっと上に話があってな。そのついでにお前を探してたらクザンさんに夜のこと聞いたんで飲みに来たんだよ」
「あはは、私探してたの？なんで」
「なんでって…そりゃァ顔見るためだろ」
「ぇ…」
スモーカーの発言に目を丸くして見やると、スモーカーはニッと口角を上げAの腕を引いて抱き上げると自分に跨らせるように座らせた
「わっちょ、ちょっ！なにしてっ…
「いい女になったな、A。」
突然のことに焦ってスモーカーとの距離を取ろうとするが簡単に抑えられ、そのまま下から髪を掬われ頬に手を添えられる
「っスモーカーさん、酔ってる？」
「…あァ。酔ってるが、こりゃァ本音だ…
お前が好きだから、顔が見てェんだ 」
もう、後戻りは出来ない
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
