虎の挑発 ページ38
夜中の海を走る海軍船
毒素も全て抜け体力を取り戻したAは、1番に、一緒に来た海兵達にしっかり謝罪をした。自分のミスだと頭を下げるAに海兵たちは慌てるが、Aが無事でよかったと笑って流してくれた。
その後食事とシャワーも済まし、上官室の窓から外を眺めていた
「はぁ…油断したな」
あんな簡単な手口にまんまと引っかかるとは。一生引きずりそう…と頭を抱えた
薬の作用でだが、あんな身体のうずきも初めてで正直どうなってしまうのかと怖かった。
そこに海賊ではあるが、外科医と称されるローに拾われたのは不幸中の幸いと言えるだろう。意識もなかったが、ちゃんと薬を飲ませてくれたのだからそこまで悪い海賊じゃないな、とAは口を緩ませた
「何笑ってやがる」
「っぎゃぁ！！っまた！いつもなんでそんな急に！」
「お前が気づいてねェだけだろう。ノックも声もかけたぜ」
「絶対ウソだ！ケムリんで入ってきてるでしょ？！」
「その呼び方するんじゃねェ。ゴム野郎を思い出す」
いつの間にかソファに座っていたスモーカーにAは飛び上がって驚いた
本当は船が違うのだが、本調子じゃないAを気にしてこっちの船に乗っていたのだ
「はっ…！そういえば…」
「あァ。説教がまだだったからな。コッチ来い」
「げっ…」
顎で隣に座れと促すスモーカーにAはしぶしぶ隣で正座した
「はァ…。反省は終わってんだろう？」
「…完全に油断した私のミスだよ…自分だけじゃなく部下たちまで危険に晒した。もっと警戒心を持って…
「分かってんならいい。あいつらももう気にしてねェんだろう」
「そうだけど…」
「それより俺ァ、ローとの事が聞きてェんだが」
「……え？！なんで知ってるの…？！」
「チッ」
実は島に着くすぐ前に、ローの船と八合わせていた
こんな時にっ、とスモーカーはどうするか悩んでいると
ローは能力でスモーカーを船に移動させ、話があるから聞けと言い、甲板に2人だけにした
「簡潔に言う。
「あァ！？ってめェ何を…！」
「フッ。どう"治療した"かは本人に聞くんだな？じゃァな」
「くそっ！トラファルガー･ロー！！」
シャンブルズという声と共に、スモーカーは海軍船の甲板に戻っていた
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
