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街が夕焼けに染まり出す頃
基地から出たスモーカーは酒屋で酒を買ったあと、西通りの花屋に向かった
「あら、中将さん!見回りかい?」
「いや、今日は客だ。花を何本か繕ってくれねェか?」
「まぁ。贈り物かい?中将さんにもそんな子が居たんだねぇ」
花屋のおばさんはうふふっと嬉しそうに笑って花束を作り「ずっと大切に守ってあげなさいね」とスモーカーに差し出した
その言葉を不思議に思ったがスモーカーは花を受け取りそのまま西の外れにある家に向かった
「(来る時間少し早ェがいいか。…っ花なんざ渡したことねェしどんな顔してりゃいいんだ。)」
ノックを数回して家主を待つ
だが待っても声や物音がひとつもしない
「(…?今日帰るとは伝えてあるはずだ。)」
ドアノブに手をかけるとドアが開いた
中に入ると電気はついており食卓には料理が並びかけていて留守にしては中途半端な状態だった
「A?いねェのか?」
家の中を探すが誰もいない
まさか何かあったのかと思い、酒と花束をテーブルに置き玄関のドアを開け外に出た
「わ、ぶっ!」
「っ?!」
「いった…!ぁ?え、スモーカー?」
「A!お前、鍵もしねェでどこ行ってたんだ!」
「え?あっ!慌てててかけ忘れちゃった!」
「ったく…。不用心過ぎるだろ、バカ」
「ごめんね。それより帰ってくるの早かったね!」
1ヶ月ぶりに会う彼女は相変わらずおっちょこちょいで
スモーカーは呆れながらも口元が緩む
「今日スモーカーが帰ってくるからと思ってご馳走作ってたんだけど、お肉屋さんに頼んでたスモークチキン忘れちゃってて!今慌てて取りに行ってたんだ!」
「そんな慌てるこたねェだろ。肉は逃げねェ」
「あはは。そうだけど 笑 あそうだ、まだご飯出来てないしシャワーでもしてくる?」
「あぁ。そうする」
はーい、とスモーカーのコートと上着を預かるAの頭をぽんぽんと撫でてスモーカーは風呂場に向かった
「(ふぅ…Aに何も無くて良かったが、あのおっちょこちょいはどうにかなんねェか。やっぱり放っとけねェが可愛いやつだな…)」
久しぶりに会ってまだ数分しか経ってないのに愛しい人がすぐ近くにいるだけで疲れも一緒にシャワーの水と流れて行くようだった
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Ancop(プロフ) - 柊*さん» 柊*さんありがとうございます!!すっごい嬉しいです🥲文章力とか無くほんと駄作ですが頑張りますー! (2023年3月2日 0時) (レス) id: 03fb232a79 (このIDを非表示/違反報告)
柊*(プロフ) - コメント失礼します。物凄く好きです...っ。更新楽しみにしてます...っ🙏 (2023年3月1日 7時) (レス) @page6 id: 81a3b167e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ancop | 作成日時:2023年2月26日 23時