5/27誤字訂正 ページ9
それぞれが、それぞれについて探るべく動き出したとき。彼女を送り出した神は。
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安室透side
結局その日は彼女について調べる暇はなく、風見と被疑者確保に勤しんだ。
「風見、これは俺の個人的な調べ物だが、もしかすると国家の危機が迫っているかもしれない事案がある。」
警視庁へ向かう俺の
「ふ、降谷さん?そんな事案、個人的で済ませていいものなんですか?」
戸惑った様子で俺をちらりと見た後、運転中ということもあるだろう、その後は前を向いて言葉を紡いだ。
「まだ確たる証拠がない。それを見つけるためにも、ある人物の素性を調べていたんだ。だが、普遍的なものしか出てこなかった。」
本来であれば喜ぶべき事案。被疑者が白であると示しているようなもの。しかし、彼女は違う。
「でしたら、それは何もないという証拠では?降谷さんが言うのであれば間違いないでしょうし。」
信号が赤に変わった。
「……何も出てこない人物が、俺の正体を知っていると匂わせていた。これが、どれほど危険なものであるか分からない訳では無いだろう?」
腕を組み、前を見据え言った。
「!?……それは、」
隣にいる風見が息を飲んでこちらを見た。信号が青に変わったのでその時間はとても短かった。
「風見にはその人物について調べるのを手伝ってもらいたいんだ。だがこれは飽くまで俺の事情だ。無理であれば断ってくれて構わない。」
静かな車内。風見の返事は、
「降谷さんがそう言うのであれば、協力は惜しみません!」
…………。
「わかった。助かる。早速だが人物について既に分かっていることだけ話そう。」
「その人物は佐々木静香。22歳女性。会社員で現在は一人暮らし。家族構成は母、父、彼女の
これはあらゆるデータベースから調べた情報だ。黒い部分は何も出なかった。
だが今日彼女と接触し、新たに写真を獲得した。彼女と父親らしき人物とのツーショットだ。父親らしき人物を調べると、何かわかるかもしれん。
俺は別件があってあまり積極的に調べることは出来ないだろうが、何か分かったら逐一報告してくれ。」
「了解です!」
風見が元気よく返事したそのとき、ちょうど警視庁に到着した。
果たして、父親を探ってどれだけ新しい情報がでるのだろうか?
彼女についての手がかりは未だ不確かだ。
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HILL(プロフ) - 麗妃さん» ありがとうございます。励みになります。大した伏線や設定ではないですが嬉しいです。そしてお返事遅れて申し訳ないです。 (2018年7月16日 22時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - とても面白いです!!登場人物たちの心情の描写や、主人公の心情から人格との関係など、設定が綿密に構成されていて、素晴らしいの言葉しか出ません!このあとの展開や伏線が気になって仕方がありません!!これからも楽しみです。頑張って下さい、応援しています! (2018年7月1日 12時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
HILL(プロフ) - 明里香さん» 報告ありがとうございます。方言が出てしまったようです……。修正しました。助かります。 (2018年6月23日 23時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「よし掛かって」ではなく、「より掛かって」です。 (2018年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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