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秀才になった彼女を両親は手厚く歓迎した。

特に母親の変わり身といったら、実に滑稽であった。

大学受験は成功、晴れてキャンパスライフが始まると思っていた。


けれど、彼女は、天才であったが故に。秀才が故に気がついてしまった。

それは、いつしか安室透が見せた視線。



あの人達(両親)は、私を見てなどいない。

あの人達の濁った瞳は、私という実像を視界に入れていない。天才であった私を、秀才な私の虚像を見ているだけだった。

無条件で愛されていた妹とは違って、私は。私は!!


静香は二度目の絶望を味わった。

ひっそりと、しかし確実に彼女の心は壊れていった。

大学二年の時、もう一人(三人目)が生まれた。

三人目は世渡りに長けていた。大学時代のドロドロとした人間関係を掻い潜り、就職まで漕ぎ着けた彼女。

結局、三人目と静香は交代しなかった。




……つまり、つまりだ。

自死した人格は、静香本人、オリジナルではない。

自死を選択したのは三人目で、これまでの行動は(二人目)と静香によるもの!

三人目が選んだ結末は、静香をも巻き込んだ!

(二人目)はそれに気がついて笑ってしまった。

しかしその笑いは一瞬にして止まる。

本当に三人目が居ないなら、それなら、神は。


どうして二人だけ巻き込んだ(・・・・・・・・・・・・・)の?

生の意味を知るのは、私じゃなくてもいいじゃない。それこそ、三人目が適任なのに。



────


「……嫌な夢だった。」

過去から現在へ。私の中身の話。

未だ重い体を引き摺るように。ベッドから這い出、キッチンへ向かった。

水道水を飲む。美味しいものでは無いが、その独特の味に生きていると実感できた。

テレビをぼーっと眺める。ニュースキャスターが米花町の事件を読み上げていくが、そのどれもが知らない(原作にない)ものばかり。流石に殺人はなかったが、不審火やら車上荒らしやらで賑わっていた。

さて、今日は火曜日。OL設定なので迂闊に外も歩けない。

……何をしようか?

なるべく外出しない方向で。


────

どうでもいい話をします。

パプリカを見ました。面白かったのですが、中の人ネタでずっと敦子が哀ちゃんに、時田くんが安室さんに聞こえてもうw
時田くんがピッキングした時はもうwww

……面白かったですよ?(大事なので二回)



必ずしも泥棒が悪いとはお地蔵様も言わなかった。

個心的には三角定規たちの肝臓とオセアニアじゃあ常識なのがツボです。

皆さんも是非。

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HILL(プロフ) - 麗妃さん» ありがとうございます。励みになります。大した伏線や設定ではないですが嬉しいです。そしてお返事遅れて申し訳ないです。 (2018年7月16日 22時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - とても面白いです!!登場人物たちの心情の描写や、主人公の心情から人格との関係など、設定が綿密に構成されていて、素晴らしいの言葉しか出ません!このあとの展開や伏線が気になって仕方がありません!!これからも楽しみです。頑張って下さい、応援しています! (2018年7月1日 12時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
HILL(プロフ) - 明里香さん» 報告ありがとうございます。方言が出てしまったようです……。修正しました。助かります。 (2018年6月23日 23時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「よし掛かって」ではなく、「より掛かって」です。 (2018年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HILL | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年5月18日 20時

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