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「えっ!?」
急な話に驚いて大きな声が出てしまった。俺の声が頭に響いたのかその人は耳を抑えて顔を顰めている
「ミンギュ、声大きい」とソクミンに言われた
「すいません…」
『急すぎました?』
謝罪は無視かよ!
そりゃ急に決まってるけど今日だってこの予定が終われば他の用事は何も無いし何もせずダラダラ過ごすのならば今日から働いてみてもいいかなとも思う
「あ、いえ。大丈夫です」
『なら良かった』
その人は立ち上がりフラフラと壁にぶつかりながら自分の部屋へと入っていった
「…え?」
予想外の行動に驚いて居ると分厚い茶封筒を持って戻ってきた
椅子に座りその茶封筒を開けるとそこからは分厚い札束が見えた
俺は驚いて「は!?」と声に出してしまった。しまった、また大声を出してしまったと思ったけれど今度は大丈夫だったみたいだ
『いち、に、さん、し…』とお金を弾きながら20まで数え終わるとトントンとそのお札達を纏めて俺の前にすっと差し出した
『これ、今月分。前払いです。』
「いや…っ、え!?」
目の前に差し出された会社勤めの時と同じくらいの給料に目が眩んだけれどそれを直ぐに受け取れる程の度胸はもちあわせていなかった
ソクミンの方を見て助けを求めるが本人も驚いている様子で宛になりそうにない
「いや、そんな前払いなんて…」
『良いんです
その代わりお願いがあるんですけど…いいですか?』
そんな畏まって一体どんな大層なお願いだろうか…って言うか交換条件みたいな事をするなんて狡くないか?
「…なんですか?」
『嘘は絶対つかないでください』
なんだそんなことかと拍子抜けした
軽く笑い「なんだそんな事ですか」と言うと『そんな事じゃないです、大事なことです』と拗ねたように言われた
子供みたいな人だな
「わかりました。嘘は絶対つきません。」
俺がそう言うと安心したように微笑んだ姿を見てここに来てからマイナスなイメージしか無かったこの人にも可愛らしい一面があるんだなと思った
『もし嘘をついた事が私にバレたら即やめて貰うので
じゃあ、よろしくお願いします…私は寝ます…』
上げて落とす人だな…
その人は隣に座っている彼女の事を掴んで自室に連行しながらソクミンに『またね。』と言って手を振った
リビングに再びぽつんと残された俺達…
「ソクミン、俺どうしたらいい?」
「…とりあえずユナが帰ってくるのを待とう」
「そうだな…」
この時正直俺は不安でいっぱいだった
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます!頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…!! (2021年3月19日 22時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください! (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nagi | 作成日時:2021年3月17日 0時