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昔、誰か知識をひけらかしてる奴が言ってた言葉がある
「お味噌汁は家庭の味だから皆それぞれ違う」のだと
それを聞いて私は心に無数の刃を立てられた様に傷を負い私の母の作る味噌汁はどんな味がするのだろうと泣きそうになったのを覚えている
一人暮らしを初めて自分で作ってみた味噌汁は何とも味気無く、分量を間違えて鍋に余った味噌汁と共に捨ててもう二度と作らないと決めた
『味噌汁ってこんなに美味しいものなんだね』
「大袈裟だな」
『大袈裟じゃないよ?私初めて飲んだ』
するとミンギュさんは冗談だと思ったらしく面白くないよと言った
やっぱり私普通じゃないよね。
誰もわかってくれないんだ、貴方にとっての当たり前が私にとってどれ程幸せな事なのか。
『そうね、面白くないわ』
素っ気なく返事をすると何となく冗談では無いということに気がついた彼が謝罪を口にした
『何に対してのゴメンなのか知らないけど、貴方にとっての当たり前が他人にとっての幸せかもしれないとか思わないの?』
「そうだね…俺が浅はかだった」
しゅんと落ち込むミンギュさんを見てまたしても自分勝手な価値観を押し付けてしまったと罪悪感を感じた
『違う、違うのこんな事が言いたい訳じゃない』
もう、駄目だ。やっぱり私は生きてちゃいけないんだ。向いてない、人間に
『ごめんなさい…』
「なんでAが謝るの?俺が傷つけたんじゃん、なんで俺が被害者みたいな言い方するの?」
『私の価値観なんて誰も理解してくれないのにそれを押し付けたから!私がおかしいの!』
「それは話を聞いてからじゃないと分からない
まだ俺達は何も分かり合えてないんだから仕方がない事だよ」
『…』
「話して、俺に何でも…」
『なんで泣きそうになってるの?』
「Aが心を開いてくれないから」
『…私、凄く面倒臭いし…頭おかしいし』
「うん」
『我儘だし、多分、ミンギュさんのこと傷つけるよ?』
「俺は包容力があって寛大だからそう簡単には傷つかないから安心して」
『私の話を聞いてるとミンギュさんもおかしくなるかもよ?』
「その時はその時だよ」
心に染みるような優しい声に漸く目を合わせるとミンギュさんは愛しい何かを見つめる様な瞳で私を見ていた
『じゃあ誓って、私と居る時は私だけを見て…私を無条件に愛して』
これは呪いだ
この台詞を言うのはミンギュさんで三回目
一人目はユナ、二人目はスングァン…
ミンギュさんは目を見開いて固まった
そして_
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます!頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…!! (2021年3月19日 22時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください! (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nagi | 作成日時:2021年3月17日 0時