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スングァンside
あの男が出ていってからAは俯いたまま真っ黒な瞳で地面を見つめ続けていた
「A、ご飯食べよう？」
『…うん』
「A」
『…うん』
肩を揺すってもピクともしないAに焦りを感じて少し大きな声で名前を呼ぶ
「A！」
『なに？』
「…僕、来ない方が良かった？」
そういうとAは泣きそうな顔をして僕を見た
『なんで…？』
「さっきの家政夫さん僕のせいで帰っちゃったし…A、あの人が帰ってからすごく悲しそうに見える」
『…私、また自分勝手に人の事怒らせた…』
涙を目に浮かべながら包帯の巻かれた腕に爪を立てるAの手を握って頷いて話を聞く
『いっつもそう、私がいい加減だから周りの人を傷つけて怒らせて…最後には皆居なくなる』
「僕は居るよ」
『…』
「大丈夫、あの人も明日にはケロッとした顔でここに来るよ！」
『さぁ、来ないんじゃない』
「もー…ネガティブなんだから…」
『私もスングァンみたいになりたいよ』
「そう言っていただけると光栄だよ」
『ああもうやだ。全てが嫌だ。死にたい…』
頭を抱えて蹲るAを見て、これは駄目だと思った
「…A、外に出よう。今日はいい天気だし、少しお散歩にでも行こう？」
『…そんな気分じゃない…』
「このまま家に居たらもっとしんどくなっちゃうよ？」
『…どうしても行かないと駄目？』
「うん、行こう？」
『…分かった、着替えてくる』
「うん、待ってるね」
Aが着替えている間、どうしたら彼女の病みが晴らせて孤独を埋めてあげられるのだろうかと考えた
『お待たせ』
白いワンピースを着たAはいつもよりも纏う影が濃かったけれど、消えてしまいそうに儚くて綺麗だった
「うん、いつも通り綺麗だね」
『だからそーゆーのもういいって』
「ごめん」
僕がそう言うとAは眉間に皺を寄せながらも口元を緩ませて先に玄関に向かった
外は雲ひとつ無い晴天で、歩くだけで汗だくになりそうだ
自分が汗をかいている中、Aは涼しげにスマホを弄りながら歩いていた
『スングァン、私水族館に行きたい』
「水族館？いいね、涼しそう！」
『アザラシの赤ちゃんが産まれたんだって』
ほら、と言って目の前に出された画面には飼育員さんに持ち上げられた白くてフワフワの赤ちゃんがいた
「わぁ！可愛いね！」
『ね、この子に癒してもらおう』
「そうだね」
画面を見てふわりと微笑む姿を見て自分の頬も緩んだ気がした
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます！頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…！！ (2021年3月19日 22時) (
レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください！ (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nagi | 作成日時：2021年3月17日 0時
