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番外編 happybirthday 1 ページ25

その日は珍しく仕事で休みを頂いて禁酒して一日中ゆっくりしようと思いお昼過ぎに起きて朝ご飯をゆっくりと食べていた時だった

私の前に座り珈琲を飲みながらミンギュさんは何気なしに言った

「実は俺、今日誕生日なんだよね」

『ん』

丁度パンを齧った所で言葉にならなかったけれどなんで今言う。と思いつつ急いでパンを咀嚼し飲み込んだ

『え、そうなの?
ってことは予定あるでしょ?』

そう問うと彼は窓の外を眺めながら珈琲をまた一口啜った

「うーん…」

『え、仕事とかもういいから帰りなよ』

だってきっと友達とかとパーティーしたりするでしょ?

そう思いエプロンを外そうと近寄り紐に手を伸ばすと大きい手に腕を掴まれた

「ううん、大丈夫」

『本当に遠慮しなくていいから』

「してないから大丈夫」

『ええ…』

大丈夫を繰り返しにこにこしながら私を見つめた

『申し訳ないな…』

ボソッと独り言を零すとミンギュさんは掴んでいた手に少し力を込めた

「…なら俺のお願い一つ聞いてくれる?」

顔を見るとキラキラと輝いた瞳が二つ私を捉えて離さなかった

どうにも私はこの目に弱い

この子供のような幼くて純粋な瞳を絶望させるなんてことしたくなかった

暫く固まっていると眉を八の字にしてもう一度私にお願いしてきた

「だめ?」

…私がこれに弱いこと知っててやってるよね?

でも毎日私の最悪な我儘を聞いてもらってるんだから多少のお願いはお易い御用だ

『…いいよ
どんなこと?』

「抱きしめさせて」

『…は?』

思ってもいなかったことに驚いた

「…やっぱ嫌?」

そんな泣きそうな顔しないで、罪悪感で死んでしまいそう

『嫌とかじゃなくて!
そんな事でいいの?…欲しいものとか…例えば休みが欲しいとかそういうのは無いの?』

「嫌じゃないんなら良かった
ううん、俺は今Aを抱きしめたいのハグしたいの」

『えぇえ…』

頭を抱えた

なんて無欲なんだ…よし、ハグぐらい何秒でもしてあげるよ

『いいよ、分かった
ほら』

大きく両手を広げて私より幾分か大きい男が自分の腕に収まるのを待った

ミンギュさんは少し戸惑ってからゆっくりと私の腕に収まって背中に腕を回し、肩に頭を預けてきた

そんな彼が可愛らしく感じて頬が緩んだ

『ミンギュさん、お誕生日おめでとう』

いつもありがとう。という思いを込めてサラサラの髪に指を通した

『ふふ、なんか可愛い』

貴方が産まれたこの日に感謝します

あ、誕生日ケーキデリバリーしなきゃ

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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます!頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…!! (2021年3月19日 22時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください! (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nagi | 作成日時:2021年3月17日 0時

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