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「いい子」
そう言って私の頭を優しく撫でて額に唇をおとした
恐らく私はなんで？という顔をしていたんだろうスングァンはくすりと笑った
「おやすみのキス
小さい頃良くしてもらってたから」
『子供扱いしないでよ』
「…本気で言ってる？」
そして私をベッドに寝かせて布団を掛けてくれたけれど私はこの服のまま寝るのは嫌だったから抵抗した
「駄目、大人しく寝て」
スングァンは真っ直ぐ私を見つめ、きっと目を閉じて眠りにつく迄帰らないつもりなんだろうなと察したので言われた通り布団に体を預けた
暫く布団をぽんぽんと優しく叩かれていた
「鍵掛けて帰るから明日返すね」
『うん
もう大丈夫だから早くお店戻ってあげて』
「もう少しだけ居るよ」
『駄目だよ。お店忙しかったんだから』
「…そうだね」
スングァンはもう一度額に唇を落としてから渋々立ち上がった
「おやすみ
また明日ね」
『うん
おやすみ』
そして部屋を後にし、暫くすると鍵がガシャンと閉まる音が聞こえた
帰ったと確信した私は布団から出てまず服に手をかけた
けれど酔いが回っているのと同じく世界が回っていたので何回も転けた
やっとの事で服を脱ぎ終わると下着姿のままリビングへと向かい刃物を探した
机の上に置いてあるペン立ての中からカッターを取り出しカチカチと刃を出す
それを腕に当ててそれを滑らせると赤い血がドクドクと流れる
止められないのだ。いや、生きる為に私はこの行為をしなければいけない
心の傷は見えないのはどうしてなんだろうか？見えないから幾らでも傷つけてもいいのか？見えないから、確認できないから私は忘れてしまうんだ
だから、見える様に、受けた傷を忘れない様に、切る、切る切る切る切る切る
切るところが無くなった事で私の手は止まったけれど腕からは止めどなく赤い血が流れ続ける
また、やってしまった
少しだけクリアになった頭の何処かで反省した
近くにあったティッシュで滴る赤い液体を拭い、机も拭く
するといつも何も置いていない机にお皿が置いてあり、中身はおにぎりだった
そしてその横には私が普段使っているメモ帳が置いてあった
《お疲れ様
おにぎり作っておいたので良かったら夜食にでも食べて》
椅子に座りその紙を手に取り大事に両手に挟むと視界がぼやけ始めた
その内涙がこぼれ、息が詰まった
一人きりの部屋でみっともないぐらい泣いた
泣いて、ドクドク脈打つ心臓と腕の傷を感じながら意識を飛ばした
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます！頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…！！ (2021年3月19日 22時) (
レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください！ (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nagi | 作成日時：2021年3月17日 0時
