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助手席から外を眺めながら涙を流し続けた
スングァンはそれに気が付きながら何も言わなかったけれどとうとう声を掛けた
「A、ごめんね
泣かないで」
『違う
勝手に流れてくるの』
「…」
『ずっと気になってたんだけどスングァンはさ、なんでこんな面倒臭い私の事面倒見てくれるの？』
「ほっとけないから」
『なんで？いいんだよほっといても』
「それが出来たらそうしてるよ」
『…いいんだよ。私の事、いつでも見捨てても』
「多分無理だよ」
『私にそれを言うのがどれだけ重たいか分かってて言ってるの？
私が嘘つく人嫌いなの』
「もう…分かってるってば
どれだけ一緒にいると思ってるの？」
『私は…一度信じたら一生信じ続けるよ？』
「信じてよ」
『…』
スングァンの視線を感じながらも私は未だ窓の外を眺めていた
外はもう真っ暗で、皆寝静まっている様だ
『もうすぐ着く…ありがとう送ってくれて』
スングァンは何も言わなかった
私の我儘で機嫌を損ねてしまったのかもしれない
車は家の前に到着し、ドアを開けて車を降りると足に力が入らず地面に崩れ落ちた
『あ…』
立ち上がろうと力を込めるがどうしても無理だった
「もう、本当に仕方の無いお嬢だな…」
そう言ってスングァンが私を抱き上げた
所謂お姫様抱っこだ
『わぁ、まさかのお姫様抱っこ…』
「本っ当に我儘な姫だよ…
ほら、鍵出して」
ガサガサと鞄を漁り鍵をスングァンに渡すと「片手離すから首に手回して」と言われたので大人しく従う
スングァンからはいい香りがした
すんなりとマンションのロックを開けて進み私の家の鍵も開けてくれた
『ありがとう』
玄関でもう降ろしてという意味を込めてお礼を言ったのだけれど降ろしてくれそうな気配がなかった
『スングァン？ありがとう』
もう一度言うとスングァンは私の靴をﾊﾟﾁﾝﾊﾟﾁﾝと脱がせた
『えっ』
「もうベッド迄運ぶから
部屋はどこ？」
そう言いながらスングァンも靴を脱いで家の中に上がった
『いいのに…
そこ曲がったところ』
「はいはい」
ｶﾞﾁｬｯと私の部屋を開け、私をベッドの上にそっと置いた
そして部屋をぐるりと見渡してから私に目線を合わせて頬に手を添えた
「…綺麗に片付いてるんだから暴れちゃダメだよ？」
『…』
「わかった？怪我しちゃったら大変だからダメだよ？」
なんだかオンマみたいだなと思い少し懐かしい気持ちを思い出して心がぎゅっとなった
『…わかった』
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます！頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…！！ (2021年3月19日 22時) (
レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください！ (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nagi | 作成日時：2021年3月17日 0時
